美少女超人キン肉マンルージュ
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第2試合
【第2試合】 VSノワールプペ(3)
「プペプペプペプペプペッ! どう? すっごくスルドいんだよ、こいつのキバはー。ちょっとでもふれたら、ニクがきりさかれちゃうよー。それにねー、こいつのキバには、デヴィルディスペアというキョウアクなドクがあるからねー。ふれたらイッシュンで、デスっちゃうよー」
大蛇は、にゅるにゅる、ぐねぐねと、揺り動きながら、キン肉マンルージュを見つめている。
「さあ! くらっちゃいなよ! ダイヤモンドバイト!」
右側の大蛇が、“しゃあああ”と乾いた声音を響かせる。そしてキン肉マンルージュに向かって、高速で突進する。
キン肉マンルージュは、とっさにバックステップで斜め後ろに飛び上がり、大蛇の突進から逃れる。
「そんなんじゃさー、こいつからにげたうちに、はいらないよー」
大蛇は首を曲げ、空中で進行方向を変える。そして、キン肉マンルージュめがけて、再び突進する。
「ほらほらあ! さっさと、くらっちゃいなよ! ボクのおごりだよー。エンリョなく、いただいちゃいなよー」
大蛇は大口を開けながら、キン肉マンルージュに迫る。そして、キン肉マンルージュの脇腹に、大蛇は牙をたてて噛みつく。
しかしその刹那、キン肉マンルージュは空中でくるりと後ろ向きに回転し、その勢いで、大蛇の下顎を蹴り上げる。
“ぎじゃあああ! ぎじゅううう!”
大蛇は悶えるように身体を揺らしながら、悪魔将軍プペの元に戻る。
「プペプペプペプペプペッ! いいハンノウするじゃなーい。カミヒトエでけっとばすとか、かなりスリリングだねー」
悪魔将軍プペは左右の大蛇を揺らしながら、無邪気な笑みを浮かべる。
「じゃあこんどは、2ひきドウジだよー」
悪魔将軍プペは両腕を振り上げ、そして鞭を打ち放つように、2匹の大蛇を振り下ろした。
“しぎゅああああ”
2匹の大蛇は、乾いた声音とともに、キン肉マンルージュに襲い掛かる。
「へのつっぱりはご遠慮願いマッスル!」
キン肉マンルージュは自分に向かってくる大蛇めがけて、勢いよく飛び出した。
「あああッと! これはどうしたことか!? 噛まれたら即死という大蛇に向かって、キン肉マンルージュ選手、無謀にも自ら飛び込んでいったあ! あまりにも危険な特攻だあ!」
大蛇とキン肉マンルージュが激突する! その直前に、キン肉マンルージュは素早く飛び上がり、大蛇を飛び越えてしまう。
「おおお! キン肉マンルージュ選手! 大蛇を大ジャンプでやり過ごすぅ!」
ミーノは、くすっと笑んで、つぶやいた。
「いくら素早く動ける蛇といえども、動いている者に噛みつくのは、至難の業なのですぅ。そこでキン肉マンルージュ様は、あえて大蛇に突進したのですぅ。そして、大蛇の突進の勢い、キン肉マンルージュ様の突進の勢い、更に大ジャンプの勢いを合わせ使って、大蛇にとって、噛みつきにくい状況を作り出したのですぅ」
大ジャンプ中のキン肉マンルージュは、悪魔将軍プペの目の前に着地した。そして、てへッと笑ながら、舌をちろッと出して見せる。
「プペェーッ! もどれ! ダイジャーズ!」
キン肉マンルージュはすかさず、伸びきった2匹の大蛇を掴み、そして悪魔将軍プペに巻きつけていく。
「プ、プペッ!? な、なにしてる?! やめてよ! やめて!」
キン肉マンルージュは大蛇を巻きつけ、絡め、まるでタコ糸で縛られた蟹のように、悪魔将軍プペ縛り上げた。そして、真ん中で大きな蝶々結びをする。
「ぎじゃあああ! ぎゅぐるるう!」
2匹の大蛇は苦しそうに、乾いた声を上げている。
「プペェ! う、うごけなーい! ちっきしょー! ぜんぜん、うごけねー!」
キン肉マンルージュは、てへぺろをしながら、声を張り上げる。
「48の殺人技のひとつ、マッスルまごころギフト!」
観客が、わあっと沸きだす。
“うおおおお! 悪魔将軍が贈り物とか、超欲しくねえ!”
“世界一、困るギフトだわ!”
観客達を尻目に、悪魔将軍プペは笑い上げる。
「プペプペプペプペプペッ! なーんてねー」
悪魔将軍プペは、にたにたしながら言い放つ。
「コウド0、スネークボディ!」
悪魔将軍プペの身体は、蛇のように柔らかくなる。そして、大蛇に縛られている悪魔将軍プペは、するする、ぬるぬると、いとも簡単に抜け出してしまう。
「プペプペプペプペプペッ! おまえ、ヘビヘビじごくのステージ、クリアだよ! じゃあ、つぎはいよいよ、ファイナルステージ! 超ビッグスネークじごくだよー」
悪魔将軍プペはそう言うと、2匹の大蛇を絡め合わせる。ねじねじに絡まった大蛇は、合体、融合し、1匹の巨大な蛇となった。
「超ビッグスネーク、カモーン! だよー」
巨蛇は身体を持ち上げて立ち上がり、キン肉マンルージュを見下ろす。舌をちろちろとさせながら、巨蛇はキン肉マンルージュめがけて頭を落とす。
“ずどごぉおお”
リングに巨蛇が激突した。キン肉マンルージュは、寸でのところで飛び退け、巨蛇をかわす。
巨蛇の激突の勢いで、会場中が揺れる。
「じゅぎゅぐばあああぁぁぁッ!」
巨蛇はキン肉マンルージュを追いかけ回す。
「きゃあああぁぁん!」
キン肉マンルージュは動きが単調にならないように、縦横無尽にリング上を駆け回る。
しかし巨蛇は、キン肉マンルージュの動きに翻弄されることなく、キン肉マンルージュの背中にぴったりとついてきている。
「やあああぁぁん! 全然、離れなあああぁぁぃい!」
キン肉マンルージュは涙目になりながら、走り続ける。
「こうなったら、またさっきみたいに突進して」
キン肉マンルージュは巨蛇の方に向き直り、突進しようと身構える。
動きの止まったキン肉マンルージュに向けて、巨蛇は大口を開けた。ギラギラの巨牙を見せつけながら、キン肉マンルージュが丸呑みできそうなくらいに開口する。それを見たキン肉マンルージュは顔を真っ青にさせて、泣き出した。
「うわあああぁぁん! むり! むりむりむりむりむりぃ! 絶対にむりぃ! 絶対に食べられちゃうよぉ!」
キン肉マンルージュは泣きながら、突進してくる巨蛇の頭を、大跳躍でかわした。巨蛇はコーナーポストに激突する。
“ずどがぁあああん”
リングを中央に、会場中が大地震にみまわれる。
“ずごごごごごぉ”
巨蛇は、何事も無かったかのように頭をもたげ、キン肉マンルージュの方に向き直る。
「ぎじゅばぐぅがあああぁぁッ!」
巨蛇は威嚇するように、キン肉マンルージュに吠え上げた。
「うわああぁん! こんな蛇の相手とか、無理なんですけどぉ! こんなの無理だよ……って、あれ? こういうシーン、どこかで見たような気がする……」
キン肉マンルージュは、ぺたんとお尻をキャンパス上につけ、あぐらをかく。そして腕組みをしながら、首を傾げる。
「うーん、なんだっけなあ、なんだったろう……確か……えーとぉ……」
考え込むキン肉マンルージュに向かって、巨蛇は大口を開け、突進する。
「ごじゅばああぁッ!」
危機が迫るキン肉マンルージュを目の当たりにして、アナウンサーは声を張り上げる。
「あああ! あぶなあああい! キン肉マンルージュ選手、どうしたのでしょう! 全く逃げようとしない! このままでは、喰われてしまうッ!」
ミーノは、はらはらしながらも、座り込んでいるキン肉マンルージュを見守っている。
「きっとキン肉マンルージュ様は、相手の攻略法を見つけかかっているいるのですぅ……お願い、間に合って! ですぅ」
ミーノは手を握り合わせて、祈る。
「うーんとぉ……えーとぉ……ッ! そうだぁ!」
キン肉マンルージュは、ぴょこんと立ち上がり、目の前にまで迫っている巨蛇の大口に向かって、飛び込んだ。
「うわあああ! キン肉マンルージュ選手! 自ら喰われにいったあ! これは文字通り、自殺行為だあ!」
アナウンサーの声を尻目に、キン肉マンルージュは巨蛇の下顎の端を掴む。そして下顎を掴んだまま、上顎に向かって飛び上がった。
“がしぃ”
キン肉マンルージュは上顎の端も、掴み上げた。
キン肉マンルージュは巨蛇の口の端を掴みながら、真上に飛び上がった。
「プペプペェ? あいつ、なにするキー?」
キン肉マンルージュは飛び上がりきると、今度はキャンバス目掛けて落下する。そしてキン肉マンルージュは、巨蛇の口を開かせ、声を上げた。
「48の殺人技のひとつ、口裂けキン肉バスター!」
キン肉マンルージュは、巨蛇の口を使って、キン肉バスターを放つ。
“ずぉどがががああぁぁぁん
「じゅぎゅぐばがががあああぁぁぁッ」
巨蛇の口は、大きく裂けてしまった。そして巨蛇は、ぴくぴくと痙攣し、動かなくなった。
「おおおおお! 倒したあ! キン肉マンルージュ選手! 見事、巨蛇を討ち取ったあ!」
興奮するアナウンサーを尻目に、ミーノはつぶやく。
「口裂けキン肉バスター、この技は、キン肉スグル大王様が、悪魔六騎士であるスニゲーターとの戦いで見せた技なのですぅ。さすがは超人オタクであられる凛香様、土壇場で思い出したのですぅ」
“どずずずぅん”
巨蛇はぐったりとして、リングに沈んだ。
「プペプペプペプペプペッ! 超ビッグスネークじごくのステージ、クリアだよー! やるねー、おまえー、ほめてやるよー」
悪魔将軍プペは、変わり果てた姿になってしまった巨蛇を見つめながら、ケラケラと笑っている。
「さーて、このヤクタタズなウデ、かたづけないとねー」
そう言うと、悪魔将軍プペは、コーナーポストに向かって飛び上がった。そして、自らの肩関節を、コーナーポストに激突させた。
“どぐしゃああぁぁッ”
“ぶちいいぃぃぃッ”
肩関節が潰れる音と、腕が千切れる音が、同時に聞こえた。
“う、うわわわわあああッ!”
“きゃあああぁぁぁあああッ!”
観客達は、あまりの凄惨な光景に、悲鳴を上げる。
「もうカタッポもねー」
悪魔将軍プペは、再度、飛び上がった。そして、残りの腕の肩関節を、コーナーポストに激突させる。
“どぐしゃああぁぁッ”
肩関節が潰れる音が聞こえる。しかし、悪魔将軍プペの腕は、皮一枚残して、繋がっている。
「あー、ウデ、とれなかったー。しょうがないなー」
悪魔将軍プペは、ぶらりと垂れ下がった腕を掴む。そして、躊躇なく、腕を思いきり引っ張り上げた。
“ぶちいいぃぃぃッ”
悪魔将軍プペの腕は、痛々しい音と共に、引きちぎられてしまう。
“ひいいいぃぃぃッ”
観客達は、全身が凍ってしまったかのような、寒々しい悲鳴を上げる。
「さーて、いっただっきまーす」
悪魔将軍プペの胸にあるノワールプペの顔が、大きく口を開いた。その大きさは、巨蛇にも負けないほどの、とてつもなく大きなものである。
“がぶうぅじゅるるるぅ”
悪魔将軍プペは、巨蛇を丸呑みにする。じゅるじゅると音を立てながら、物凄い勢いで、飲み込んでいく。
「げふぅ、まずーい、ごっちそーさまー」
悪魔将軍プペの胸にあるノワールプペの顔が、げふぅとゲップした。
後書き
※メインサイト(サイト名:美少女超人キン肉マンルージュ)、他サイト(Arcadia他)でも連載中です。
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