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おぢばにおかえり

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第七十二話 キャンバスライフその十五

「来てね」
「わかりました、それにしても大学も木が多いですね」
「奇麗でしょ」
「涼し気ですね」
 新一君は笑顔で言いました。
「お陰で」
「風景としてもいいしね」
「そうですね、絵になりますね」
「おぢばって風景がいい場所多いのよ」
「はい、一年見て回って思いました」
「新一君あちこち歩いてるしね」
 私の知る限り毎日みたいにおぢばにいてです。
「そうしてるから知ってるのね」
「はい、ですから」
 それでというのです。
「ある程度ですが」
「知ってるのね」
「そうです」
「そうよね、それでキャンバスの中もね」
「絵になる場所が多いんですね」
「ここなんかね」
 図書館が前に見えるところで言いました。
「いいでしょ」
「はい、テニスコートもあって」
「こうしたところもあるの」
 新一君を見て言いました。
「だからね」
「入学したらですね」
「こうしたところ利用してね」
「そうさせてもらいます」
「ただ新一君スポーツはしないわね」 
 何かいつも歩いてる気がしますけれど。
「テニスとかは」
「はい、スポーツはしないです」
「部活自体入ってないしね」
「部活なんか絶対に入らないですよ」
 そうした主義だというのです。
「顧問の教師がやりたい放題に暴力振るってお咎めなしですから」
「だからそんな学校特殊でしょ」 
 無法地帯そのものです。 
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