夢幻水滸伝
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第二百六十三話 山中の賢者その十
「果物はです」
「欠かさない」
「これからも」
「そうされますか」
「果物があれば」
花華は笑って話した。
「私は充分です」
「随分無欲ですね」
「いざとなれば酒池肉林も出来ますが」
「お肉にお酒にと」
「どっちも好きです」
花華はそれは否定しなかった。
「特にお酒は」
「そうですね、そちらも」
「桂花陳酒や杏酒は特に」
「よく飲まれますね」
「お茶もそうですが」
「お茶はもう言わずもがなで」
こちらを飲むことはというのだ、花華は周りに対してそれがどうしてかも周りに話した。
「ここは中国ですさかい」
「はい、お茶と言えば我が国です」
「お茶と絹、陶器の国と言われてきました」
「そうですから」
「お茶は誰もが飲みます」
「そうしたものです」
「そやから飲みますが」
花華にしてもだ、実は水を飲むよりも機会があれば常に飲む様にしている。それは味も香りも好きであり栄養もあることも知っているからだ。
「夜はです」
「お酒ですね」
「そちらも飲まれますね」
「しかしそれ以上にですね」
「杜様は果物がお好きですね」
「そやから朝昼晩一個か一房あれば」
その果物がというのだ。
「それで嬉しいです」
「そうなのですね」
「そして将来はですね」
「誰もが何処でもバナナを食べられる」
「そうした社会にしたいですか」
「もっと言えば日本の握り寿司も」
この料理もというのだ。
「この貴州省でも食べられる」
「あの生魚を使った」
「そのお寿司をですか」
「馴れ寿司ではなく」
「そちらをですか」
「誰もが食べられる」
そうしたというのだ。
「社会にしたいです」
「それは可能なのですね」
「杜様はそうお考えですね」
「その様に」
「はい、私がいる世界ではそうですから」
起きた世界ではというのだ。
「そうですさかい」
「だからですか」
「やがてはですか」
「この貴州省ひいては中国も発展させる」
「そうさせるのですね」
「起きた世界の中国ではやっと昆明でそうなれる様になった位と言ってええですが」
握り寿司を食べられる様になったというのだ。
「この世界でもです」
「そうした社会にされるのですね」
「この貴州省も中国も」
「そして他の地域も」
「そうされたいのですね」
「はい、そして」
そのうえでというのだ。
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