夢幻水滸伝
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第二百六十二話 退魔師の努力その七
「インフラを整えるにも産業を発展させるにも」
「そして治安をよくするにも」
「全てにおいてお金が必要や」
「それが現実ですね」
「税金がないとか統治機関がいらんとか言うと」
そう考え主張するならというのだ。
「もう何もない」
「社会自体が成り立ちませんね」
「それこそ馬賊みたいな連中が好き勝手やる」
そうした社会になるというのだ。
「わっちが起きた世界の言葉やとモヒカンがバイクで暴れ回る」
「モヒカンですか」
「人間とかでたまにそうした髪型にしてるのおるやろ」
「アメリカからはじまってますね」
「ああ、あそこの部族でやってるのおるな」
「確かモホーク族ですね」
この世界のアメリカでは多くの者がいて張質が起きた世界ではネイティブと言われる様な暮らしをしている者達もいるのだ、最初からその国にいるのは彼等だけではないのでかつてインディアンと言われた者達とはまた違うのだ。
「そうでしたね」
「あの連中の髪型にしてな」
「バイク、オートバイに乗ってですか」
「派手な戦争があった後の世界でな」
核戦争後の世界をこう表現した。
「好き勝手やってるんや」
「そうした世界がありますか」
「わっちが起きた世界の漫画でな」
「そしてそうした世界にですね」
「税も治めるところがないとな」
そうした社会になればというのだ。
「ならず者達が好き勝手やってな」
「善良な民が苦しめられる」
「そうした世界になるだけやろ」
「はい」
市長もその通りだと答えた。
「そうなれば」
「そやからな」
「税も必要ですね」
「そや、しかしな」
「それは高いとですね」
「それだけ民に負担がかかる、塩の税にしてもな」
これもというのだ。
「高いとな」
「民が買うのに困りますね」
「塩はどうしても必要や」
生きる為にというのだ。
「人ならな」
「その通りですね」
「その塩があまりに高いとな」
「塩は基本政府が売っていますし」
「鉄とな」
「太平洋や地下世界、アフリカでは」
「特にこの中国ではな」
そうなっているというのだ。
「そうなっててや」
「そこに税もかけますが」
「その税があまりに高いとや」
「民は塩を買わねばなりませんが」
「買うにも苦労する、それで他のものも買えん様になる」
塩を買うだけで多くの金を使ってだ。
「物価も上がることが考えられるしな」
「塩につられてですね」
「そこで民はどんどん活力を失ってな」
「国自体が衰えますね」
「そうなる、しかもな」
それだけでなくとだ、張はさらに話した。
「そこに付け込んで塩を密かに売るもんが出る」
「塩賊ですね」
「この世界でもおるな」
「はい」
市長も答えた。
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