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夢幻水滸伝

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第二百六十一話 成都に向けてその十一

「水軍は守りを固めてな」
「防ぐな」
「そうする、敵は水軍を突き破ろうとしてるが」
「それを防いで」
「囲んでな」
「倒すな」
「そうするで、最後の一手もな」
 敵のそれもというのだ。
「封じる、そしてな」
「勝つな、こっちが」
「そうするで、今は」
「そうしよな」
「ああ、今はな」 
 こう話してだった。
 施は動いた敵軍をだった。
 空と陸から囲みにかかり。
 水軍は防御陣形を取らせて砲撃それに術の攻撃を仕掛けさせてだった。
 敵の突撃を防がせんとした、だが。
 張もだ、花華と緑麗に話した。
「三人でな」
「力を合わせて」
「そのうえで」
「敵の水軍を破るで、ただな」 
 ここでだ、張は。 
 空を見上げた、そこから白澤に乗った施が今度は如意棒を見て持ち空の兵達を率いて急降下してきていた。
 そのうえで船の一隻に如意棒を伸ばして攻撃を浴びせ。
 沈めた、張はそれを見て言った。
「施さんがな」
「来たな」
「あの人が来られるとな」
「厄介ですね」
「これ以上はないまでにな」
 こう言うのだった。
「強敵や」
「そうですね」
「あの人をどうする」
 張はまた一隻沈めた施を見て話した。
「一体」
「私が行きます」
 緑麗が名乗り出た。
「勝てるとは思えませんが」
「それでもやな」
「ある程度防ぐことが出来ますので」
 だからだというのだ。
「ここはです」
「行ってくれるか」
「少なくともあの人自体は防ぎます」 
 それがある程度にしてもというのだ。
「そうさせてもらいます」
「そうか、ほなな」
「はい、行ってきます」
 強い言葉を出してだった。
 緑麗は施の前に出た、そうして彼を見据えて言った。
「手合わせ願います」
「ええで、ほな今からやるか」
 施は不敵に笑って応えてだった。
 船の一隻の甲板の上に降り立って白澤に休む様に告げて下りてだった。
 如意棒を手に緑麗との勝負に入った、施は縦横に攻めて緑麗を押す、だが緑麗はとても勝てる見込みはなくともだった。
 施の攻撃に持ち堪えていた、張はそれを見て言った。
「施さんは緑麗ちゃんに任せて」
「私達はね」
「そや、艦隊の指揮に専念するで」
「わかったわ、そうしてこな」
 花華は張の言葉に頷いた、そうしてだった。
 二人で敵の水軍を突破せんとした、だが数で倍以上劣っており。
 しかも空と両岸から攻められてはどうにもならなかった、突破出来ず一隻一隻と動けなくなり遂には。
 船の半分近くが動けなくなった、そこで張は言った。 
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