八条学園騒動記
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第六百七十六話 ネットから来たその六
「逃げられただろうが」
「そうよね」
「ベリヤもそうだってそうだったな」
フックは探偵の前世の話をした、三人共頭の中で探偵とベリヤはほぼ同一人物となっていてそのうえで話している。
「事実はスターリンには知られていたな」
「それで呆れられていた」
「そうだったよな」
「しかしスターリンは黙っていた」
即ち黙認していたのだ。
「ベリヤの悪事をな」
「有能だからか」
「内政の柱だったからな」
それでだったのだ。
「治安等にだ」
「ベリヤの力が必要だったか」
「だからだ」
「あいつの悪事を知っていてもか」
「黙っていた、どうも噂でもだ」
ベリヤの悪事はだ。
「知られていたらしいな」
「やっぱり知られるか」
「ベリヤがトップになる前に逮捕する話もあった」
それも秘密警察の中でだ、彼が所属していた。
「それは何故かというと」
「その悪事のせいか」
「幼女を襲って殺すなぞな」
「どんな国でも許されないな」
「完全な無法地帯でないとだ」
それこそとだ、タムタムは話した。
「そんなことはだ」
「許されないな」
「だから当時のソ連でもな」
この国でもというのだ。
「知っている人はな」
「ベリヤを逮捕しようとしたか」
「只でさえ碌でもない奴だと評判だった」
その人格はだ。
「邪悪極まるとな」
「それなら悪事がわかるとか」
「そこからな」
まさにというのだ。
「逮捕しようとする人もだ」
「出るか」
「だがそれはだ」
「スターリンが止めていたか」
「役に立つ人間と思ったからな」
スターリンにとってだ。
「だからだ」
「ベリヤはか」
「スターリンが生きている間はな」
「やりたい放題だったか」
「だがスターリンも流石に放置出来ないと思ったらしい」
「それで粛清されそうになったか」
「これまでの多くの人達と同じ様にな」
スターリンが多くの人間を粛清で殺してきたことから話した。
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