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夢幻水滸伝

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第二百六十話 雲南省掌握その四

「夜に攻めることもな」
「してましたか」
「そやった」
「そうだったのですね」
「さて、疲れ切った少数の軍をある程度にしろ休憩も摂ってな」
「食事も摂ってますね」
「その大軍が攻めたらどっちが強い」
 その疲れ切った敵軍がいる昆明を見つつ蒲に問うた。
「一体」
「もう答えは出てますね」
「そや、ここで総攻撃や」
「そうしますね」
「それで勝つで」
「わかりました」
 蒲は施の言葉に頷いた、見れば彼も笑みを浮かべている。
 施は全軍に攻撃を命じた、忽ちのうちに昆明の城壁にだった。
 術と火器の攻撃が浴びせられた、そこには施と蒲の術もあり。
 蒲は五光石を投げた、すると赤白青黄それに黒の五色を放つ無数の石が巨大化し横に飛ぶ隕石の様になり。
 城壁を撃った、そしてそこにいた将兵達ごと吹き飛ばし。
 城壁に大きな穴を作った、施はそれを観て言った。
「よし、今こそや」
「城内にですね」
「切り込むで」
「そうしますね」
「自分が先頭に立つ」
 白澤に乗って蒲に話した。
「そやから後に続いてや」
「そうしてですね」
「雪崩れ込むで」
「わかりました、では僕は」
「援護頼むわ」
 城内に突入する自分が率いる軍勢のというのだ。
「ええな」
「わかりました」
「そして頃合いを見てな」
 そのうえでというのだ。
「他の方面からもや」
「城を攻めますね」
「ここは突入してな」
 そのうえでというのだ。
「各方面から攻めてや」
「陥落させますね」
「そうするで、あとここでもな」
 昆明でもというのだ。
「わかってるな」
「民には一切手を出さない」
「そうするで」では住宅地、商業地域にはですね」
「攻撃はせん、通ってもな」
「素通りですね」
「そうするで」
 こう言ってだった。
 施は白澤に乗り自ら軍勢を率いて城内に突入した、蒲はその彼を援護しつつ全方面からの攻撃も行った。
 そうして攻めていくがそれを見てだった。
 緑麗は花華に話した、二人は破壊された城壁から兵を連れて逃れ今は城の奥にある市庁舎の方に向かっている。
「もうこうなっては」
「昆明は陥ちたな」
「どうにもならないです」
「そやな、ここを攻め落とされるとな」 
 花華はさらに話した。
「もうな」
「雲南省もですね」
「省都が攻め落とされるんや」 
 そうなったからにはというのだ。
「それを見て中立化している街や村がや」
「一斉にあちらにつきますね」
「そうなるわ」
「そうですね」
「そしてそれを見てこっち側の街や村もな」
「あちらに入るところが出ます」
「そうなるわ」
 まさにというのだ。 
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