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おっちょこちょいのかよちゃん

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241 十字架の強さ

 
前書き
《前回》
 かよ子はアルフレートの短刀が己に使いこなせるか試みた。その結果、自分でも使用可能である事が解り、その短刀でパーマストン子爵を撃破した。そしてすみ子達「義元」はベアトリスという女と交戦する。ジャンヌが召喚した聖カタリナの能力(ちから)ですみ子達は彼女が使用する杖がかよ子の杖の能力に似せたものだと知る。そしてかよ子達の前には次の刺客・ソールズベリー侯爵が現れる。かよ子達はラクシュミー達にその戦いを託して先へ進む!! 

 
 冬田達はベニートという男と戦い続けていた。三河口は鎖鉄球を振り回す共に己の威圧の能力(ちから)を発動させる。
「く、何だこの少年から感じる威圧感は・・・!!」
 ベニートは何とか威圧の能力(ちから)に耐えようとする。三河口が鎖鉄球を飛ばす。そして湘木も斧で炎を、冬田も羽根から火炎放射で攻撃する。
「く、うう・・・!!」
 ベニートは苦心しながらも炎を受け止めた。だが、鎖鉄球が飛んで来た。ベニートは鎖鉄球を受け止めた。
「黄人よ、消えろ!」
 ベニートは対象の人物も家系ごと消滅させる能力を発動させた。しかし、三河口や湘木の武装の能力(ちから)で防がれた。
「その術で剣の所有者を消したのか」
 三河口は構わず攻撃を続ける。そしてもう一度威圧の能力(ちから)でベニートを金縛りかつ失神させようとする。

 かよ子達はソールズベリー侯爵との戦いをラクシュミー達に任せて次へ進んだ。
「私の杖はあそこに・・・」
 かよ子はヴィクトリア女帝の館に近づく。しかし、また別の人物が現れる。
「ここから先は通さないわよ」
「だ、誰!?」
「私はヘレナ。お母様に会いに来たのね」
「だから何?」
 かよ子は問答する。だが、は直ぐに攻撃体制に入る。
「お母様には会わせない。杖も取らせない。ここで始末するわ!」
 ヘレナが十字架を取り出した。皆が金縛りに遭うように動かなくなる。
「う、動けない・・・!!」
「この神の力を使った十字架で何もかも護られるし、貴方達も裁きで動けなくなるわよ!それだけじゃないわ!」
 ヘレナの十字架が光り出す。幾つもの針が飛んできた。
(この針って、私の杖で出せる・・・!!)
 かよ子はそう思いながら、羽根の結界で何とか防御した。
(やっぱり、私の杖を利用したんだ・・・!!)
 かよ子は怒りを込み上げる。
「うう・・・!!」
 かよ子の武装の能力(ちから)が発動する。ヘレナの針の攻撃を容易く跳ね返した上にそれまで金縛り状態となってい自分が動けるようになった。
「な、私の神の金縛りが解かれた!?」
 ヘレナは予想外の出来事に驚かされた。更に噴出した針がヘレナの方向に向かって襲いかかる。
「あ、ああー!!」

 すみ子達はベアトリスという女と交戦する。その時、ジャンヌが出した聖カタリナがベアトリスの杖の能力がかよ子の杖の能力を写し取った物と見抜いた。
「かよちゃんの杖を使うなんて・・・!!」
「許せねえ奴等だな!」
 「義元」の面々は友人である杖の所有者の杖を利用した事に憤怒の気持ちがこもる。
「貴様、その最強の杖はどこにある?」
「さあ、それは母上に聞いてみたらどうだ?辿り着ければの話だがな!」
 ベアトリスは杖を振るう。光線が乱射され、すみ子達を狙う。すみ子は銃で結界を張ったが、幾度も光線を浴び続けた結果、結界が破壊されてしまった。
「危ない!」
 エレーヌが右腕を出す。別の巨大な壁が現れた。
「あの女の攻撃を全てこの壁に吸収させます。今のうちに攻撃を!」
「おう!」
 川村がバズーカを飛ばす。ベアトリスの前で大きな爆発が幾度も起きる。
「な、こんなもの、爆破には爆破で返してくれる!」
「さ、させない・・・!!」
 すみ子が銃を発砲する。ベアトリスの周囲に膜が張られる。
「そんなものを私の周りに出してどうしろと・・・?」
 ベアトリスは杖で爆薬を出現させて投げようとした。しかし、爆薬はそのまま膜の中で爆発し、すみ子達には何も危害はなかった。「あ、あああ!!」とベアトリスの悲鳴が聞こえた。そして少しして光が現れた。ベアトリスは自滅の如く死亡したのだった。
「や、やっつけた・・・?」
「ああ、濃藤すみ子、お前の活躍だ。先に行くぞ。ヴィクトリア女帝の館は近づいている!」
「おう!」
 組織「義元」は杖の奪還に協力する為に先を急ぐ。

 ヴィクトリア女帝の館ではベアトリスが死亡した連絡が直ぐに届いていた。
「何、ベービィが殺られただと!?」
 女帝は驚愕の態度となった。
「許さぬぞ、私の娘達の命を奪うとは・・・!!私も前線に立ってくれるわ!決してこの館には近づけさせん!!」
 ヴィクトリア女帝は娘を殺された悲しみと怒りが抑えきれなくなっていた。

 かよ子の武装の能力(ちから)でヘレナの十字架による金縛りを解除させ、更に彼女が出した針攻撃も跳ね返した。
「な、ああっ!?」
「やったのか!?」
 大野が様子を確認する。しかし、針がヘレナに数本刺さってはいたが、ヘレナはまだ生きていた。
「こんなんでくたばるわけにはいかないわよ!!」
 ヘレナはまた十字架を差し出す。
「神よ、この小娘に裁きを!」
 十字架から電撃が放たれる。
「かよちゃん!」
「山田!」
「山田かよ子!!」
 皆がかよ子を守ろうと動き出す。しかし、かよ子は動かなかった。かよ子の武装の能力(ちから)は異常な程強力になっており電撃さえも通用しなかった。
「な、折角あの杖を使って私の十字架を強くしたというのに・・・!?」
「あの杖・・・、って事は私の杖がどこにあるか知ってるんだね!?」
 かよ子はヘレナに詰め寄った。
「う、うるさい!来るな!!」
「皆の者、今だ!」
 後ろから巨大な茨の槍が、炎が、大波がヘレナに襲いかかる。ヘレナは十字架で己を防御した。しかし、十字架が急に破壊された。
「その十字架、破壊させて貰ったよ」
 関根が忠治の刀を振って十字架を遠くから破壊したのだった。
「覚悟!」
 次郎長が飛びかかっていた。そしてヘレナの腹部を斬る。ヘレナは血を吐きながら息絶え、光と化した。
「あ、ありがとう、次郎長!」
 かよ子は次郎長に礼をした。
「何、当然の事。それからこのヘレナとやら、十字架を杖によって強化したような事を言っておったな」
「うん、きっと杖はこの近くにあるよ!」
「よし、向かうぞ!」
 皆は羽根に乗って先へと進む。
(あの人は十字架を私の杖で強くした・・・。となるとこの短刀も同じように私の杖を使ってその能力を写し取ったんただ・・・!!)
 かよ子は短刀を確認した。だが、また次の敵が現れる。
「あの者達だ!ヘレナ様を殺した者達がいるぞ!!」
「え!?」
「全員殺せ!あそこには杖の持ち主もいるぞ!!」
 兵達が砲撃を行う。だが、羽根の結界が発動し、かよ子の武装の能力(ちから)も相まって砲弾を跳ね返した。
「こいつら、しつこいブー!!」
 ブー太郎は水の石を利用する。波で兵達が流されていく。
「凄いよ、ブー太郎!」
「ブー!」
「ああ、ブー太郎君は凄い子じゃ!」
 友蔵は感心した。
「呑気にしている場合ではないぞ!!」
 石松が警告する。勿論、波が収まった後、また別の男が攻めに来た。
「誰だ!?」
 大野は問答した。
「我が名はディズレーリ。ビーコンズフィード伯爵とでも呼び給え。ヴィクトリア女帝の名に掛けて生きる者。ヘレナ様を倒したのは貴様らだな?」
「だとしたら何だ?」
「ここで制裁する!」
 ディズレーリは持っていた本を開いた。電撃がかよ子達を襲う。
「ひ、ひえええ〜!!」
 友蔵が悲鳴を挙げて伏せる。かよ子の武装の能力(ちから)、そしてかよ子の羽根の結界が働く。
「同じ事が幾度も通用すると思うなよ」
 ディズレーリの電撃はかよ子の羽根の結界でも防御しきれない。
「それなら、これはどう?」
 かよ子は短刀を稲妻に向ける。電撃に電撃で返した。鍔迫り合いのような状態が続き、どちらもひけをとらない。
「う・・・」
(この状態を途切れさせたら、私は負ける・・・!!)
 かよ子はそう思い、今の状態を変える事はできなかった。 
「山田、俺達も行くぜ!」
「オイラもだブー!」
「私も行くよ!」
「我々も動くぞ!」
 大野も、ブー太郎も、まる子も、のり子も、椎名も、関根も、次郎長達とその子分達も動き出す。大野の巨大な木の枝がディズレーリを殴り飛ばす。
「うおおお!」
 ディズレーリが本ごと殴り飛ばされた。そしてブー太郎の水撃、まる子の火炎砲撃、のり子の人形による念力がディズレーリを襲う。
「よし、留めだよ!」
 かよ子は短刀で電撃を出す。ディズレーリは全ての攻撃を受ける。 
 

 
後書き
次回は・・・
「助太刀に来る者達」
 かよ子達はディズレーリ伯爵と交戦する。かよ子の短刀の電撃でディズレーリを撃破できるのか。そしてソールズベリー侯爵と交戦する上市、髙田、ラクシュミーの三人は彼に苦戦してしまう。そこにある人物が加勢に訪れる・・・!! 
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