おっちょこちょいのかよちゃん
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240 ヴィクトリア軍との戦い
前書き
《前回》
かよ子達は杖を持っているとされているヴィクトリア女帝の屋敷の付近へと来ていた。そんな彼女達の所にヴィクトリア女帝の側近の一人・パーマストン子爵と交戦する。杖を奪われた怒りで武装の能力により防御が更に強まっているが、パーマストン子爵は剣の他、鏡も使用して攻撃を反射させる。かよ子はアルフレートから奪った短刀を使用を試みようとしていた!!
冬田は杖の所有者の加勢に向かっていた。
「・・・また来るぞ!」
三河口は鎖鉄球を取り出した。湘木も斧を出して迎撃準備を整えた。
「向こうか!」
三河口は鎖鉄球を飛ばした。鉄球が地面にぶつかり、地震のような振動が起きた。一人の男が振動で尻餅を突いていた。
「貴様ダーナ、折角私が手にした剣を持って行ったノーは!」
「剣・・・?そうか、お前か、広島から剣を取ってその所有者も殺害したってのは!!」
「ソノトーリ!我が名はベニート!」
「ならここで片付けさせて貰う」
三河口は鎖鉄球を振り回した。そして己の威圧の能力も発動させる。
かよ子はパーマストン子爵と交戦する。
(この短刀、使ってみる・・・?)
かよ子は短刀を取り出した。
「えい!」
アルフレートの短刀を鏡に向けた。その時、かよ子の元にもう一つ、鏡が現れた。
「な、鏡だと!?」
パーマストン子爵は驚いた。そして杖の所有者の方を向く。彼女が短刀を持っているのを確認した。
「そうか、小娘、アルフレートの短刀を使用しているのか!」
「そうだよ、おじさんのその剣も私の杖の能力を使ってるの?」
「ほう、勘付かれたなら仕方あるまい。さっさと片付けさせてもらう!」
パーマストン子爵が剣を振るう。火薬のような物が飛散され、周囲が爆発される。
「あ、危ない!!」
かよ子の武装の能力が発動された。その影響で皆無傷だった。
「はあ、はあ・・・!!」
かよ子にはこれ以上皆に危害を与えたくないという気持ちが強かった。そしてかよ子が出した鏡から大量の火薬が出される。その数はパーマストン子爵が出した火薬の数の倍ほどもあった。
「な、何!?」
パーマストン子爵が率いる兵が爆発で次々と倒され、消失する。そして子爵にも火薬が跳ぶ。
(な、何としても回避せねば・・・!!)
子爵は剣で火薬を払い、それで倍返しを狙おうとした。だがその時、剣が弾かれる。
(ま、またあの小娘の能力か!!強力すぎる・・・・!!)
さらにかよ子が出した鏡が光り出し、その火薬を三倍にも四倍にも分身させる。
「う、うおおおお!!!」
パーマストン子爵に無数の火薬がまともに当たる。避ける事もできず、パーマストン子爵はそのまま倒されて光と化した。
「や、やっつけた・・・」
「山田、おめえやるじゃねえか!」
「カッコよかったブー!」
「ありがとう、でもこの短刀は借の物・・・。本物の杖を取り返さないと!」
「確かにその通りであるな」
かよ子達はその先へと進む。
ヴィクトリア女帝の娘・ベアトリスは先へと急ぐ。
「他の者の排除もしなければならないなんてやんなっちゃうわね」
その時、兵から連絡がくる。
「ベアトリス様、アルバート様達が雷の山で戦った者達がそちらの方向より近づいているという情報を耳にしました!」
「何?確か姉上達が苦戦させられたって聞く者共か。ジャンヌという女もいたわね?」
「左様でございます!」
「よし、片付けるわよ」
組織「義元」はヴィクトリア女帝が支配する区域を進んでいた。
「凄い・・・、恐ろしい気配がするわ・・・!!」
すみ子は恐怖を感じていた。
「そのようですね。多くの敵が籠もっているはずですから」
エレーヌはすみ子を心配しながらも先へと進み、杖の所有者との合流を試みようと考えていた。
「む、来るぞ!濃藤すみ子、守備せよ!」
ジャンヌが警告する。
「え!?う、うん!」
すみ子が銃で周囲に壁を作る。スズメバチのような虫が襲ってきていた。
「な、蜂!?」
「跳ね返すでやんす!」
ヤス太郎はパチンコで風玉を出す。虫は強風で吹き飛ばされた。
「何者だ!?」
山口は矢を放った。矢から爆発を起こした。
「・・・全く、危ないわね」
一人の女性の姿が見える。
「先程の虫はお前が操ってたのか?」
「そうさ、血を抜きとられてくれればいいものを。私はベアトリス。ここから先へは行かさん!」
ベアトリスは杖を出した。巨大な竜巻で攻撃する。
「わ、来る!」
すみ子が銃で結界を出す。しかし、結界も竜巻が耐え切れるか微妙なところである。
(た、耐えて・・・!!)
しかし、結界ごと吹き飛ばされた。
「危ない!!」
エレーヌが腕を振り上げる。竜巻を消滅させた。
「それでこの能力を守れると思うか!」
ベアトリスは杖をまた振るう。火炎放射してきた。
「あ、危ないでやんす!」
ヤス太郎は水玉を出して消火を試みる。川村もバズーカを発砲させて炎を吹き消した。
「それでも聞くか!」
今度は火薬を投げて攻撃する。
「あ・・・!!」
すみ子はもう一度銃で結界を張った。しかし、連続で火薬を投げ込まれるうちに消失してしまう。
「こ、これでは防御ができん!」
ジャンヌは聖カタリナを呼び出した。
「カタリナ、あの者を浄化できるか?」
「やってみましょう」
カタリナはベアトリスに目をつける。
「皆の者、あの女はこの世界の最上位の杖の能力を模している!」
「この世界の最上位の杖だと!?」
「・・・って事は・・・。かよちゃんの杖の能力をそのまま乗っ取ったの・・・!?」
かよ子達はヴィクトリア女帝の館を目指して突入を試みる。その時、館の更にその向こうで爆発音が響いた。
「な、何・・・!?」
かよ子はさらに煙が上がっているのを確認した。
「どうやら向こうでもお主に協力しようと駆け付けた者どもかもしれぬ」
「私の杖の為に・・・!!」
その時、かよ子達の上空が黒くなった。
「な、何じゃ!?」
「これは雷雲!」
仁吉の予想通り、落雷が呼び起こされた。
(何としても守らないと・・・!!)
かよ子の武装の能力、羽根の結界が働く。それらが落雷で皆が黒焦げになるのを防いだ。
「山田かよ子、またお主の命を狙う者が来とるぞ!」
次郎長が警告する。
「ど、何処にいるの・・・!?」
「おい、お前の人形で見てくれブー」
ブー太郎はのり子に頼んだ。
「あ、うん・・・」
のり子の人形で周囲を探知する。そして見つけた。
「向こうにいるわ!」
「よし!」
大野が雷の石を出す。
(杉山・・・、お前の石、使わせてもらうぜ)
大野が石で放電する。だが、跳ね返され、更に強力な電撃がかよ子達を襲う。
「な・・・!!」
かよ子の武装の能力、羽根の結界が働く。上市の手袋で全て打ち消す。
「全く、愚かな国民共め、今の一撃で死んでもらいたかったものだが」
髭を伸ばした男がその場にいた。
「貴様、杖の所有者だな。貴様ら皆愚かしい顔をしておる」
「な、何じゃと!?まる子は愚かしくないぞ!賢い顔じゃ!」
友蔵が祖父バカ全開で男に反論した。
「お前もヴィクトリアの手の者だな?」
「左様。我が名はソールズベリー侯爵。貴様らはここで終わりだ!」
ソールズベリー侯爵が何処からか光線を幾つも発射した。
「危ないわ!」
のり子の人形も念力で加勢し、光線を防御した。そしてラクシュミーがライフルを発射する。高田も刀で龍を召喚する。
「ふっ、そんな攻撃が効くか!」
ソールズベリー侯爵は結界を張って防御した。
「あの男、自分で結界を張るんか!」
「貴様、我が女王に逆らい続けたラクシュミーだな」
「その通りだ。私は祖国の民の為に尽くしたまで。逆らって当然だ!」
「なら貴様もここでもう一度粛清する!」
「今度はやられるか!」
「ラクシュミーはん・・・!はっ、あや、うちらも手伝うんや!」
「うん!」
上市も高田も動き出す。
「わ、私も行かなきゃ!」
「杖の所有者!こいつは私が相手する。お前達はヴィクトリア女帝の所へ杖を取り返しに行くのだ!」
「えっ、ええ!?」
「山田かよ子、ここでもたもたできぬ!」
「う、うん・・・。ラクシュミーさん達、負けないで・・・!!」
かよ子はその場をラクシュミー達に任せて先へ向かう。
後書き
次回は・・・
「十字架の強さ」
ヴィクトリア女帝の屋敷の周囲で杖の争奪を掛けた激戦が続く。かよ子達の前にはまた別の敵が立ちはだかり、苦戦を強いる。そしてベアトリスと交戦するすみ子達組織「義元」は彼女の杖がかよ子の杖の能力を模したものと解ると、怒りが込み上がり・・・!!
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