八条学園騒動記
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第六百七十三話 腐れ外道の顔その二
「おかしいのよ、何か小さな女の子見る目がぎらぎらしてて」
「おい、それまずくないか」
「しかも濁りきっていて」
その目がというのだ。
「感情がないの、表情もね」
「ないんだな」
「そうなの、やたら不気味な」
「そんな顔立ちか」
「人相ね」
ラビニアはそれだと言った。
「要するに」
「それが駄目か」
「人相ってあるでしょ」
「ああ」
フックもそれはと答えた。
「元の顔立ちに加えてな」
「表情とかね」
「それがな」
「生き方で」
「人相は出るな」
「いい生き方をしてるとね」
それならというのだ。
「いい人相になってね」
「悪い生き方だとな」
「悪い人相になるっていうけれど」
「その探偵はか」
「とんでもなく気持ち悪いのよ」
「そうか、気になるのはな」
フックは真剣な顔で言った。
「小さな女の子を見てか」
「一瞬だったけれど」
それでもというのだ。
「かなりね」
「ぎらぎらしていたんだな」
「もう明らかに狙ってる」
そうしたというのだ。
「それで奇麗な女の人を見てもね」
「同じか」
「ちょって見てみたら」
そうすると、というのだ。
「目の色変わってたわ、私を見てもね」
「同じだったんだな」
「一瞬見ただけだけけれど」
「それでわかったんだな」
「何か本当にね」
ラビニアは嫌そうに語った。
「視線を感じてそっち見たら」
「その探偵がいたんだな」
「私がきっとした振り向いた時には顔を無効に向けてたけれど」
「わかったんだな」
「ええ、それで暫く隠れて見ていたら」
そうすると、というのだ。
「女の子をね」
「そうして見ていたんだな」
「ずっとね」
「それでわかったんだな」
「あれは尋常な奴じゃないわ」
「犯罪者か」
「ええ、何なら今日見てみる?」
ラビニアはフックに言った、見ればその言っている顔は真剣そのものでありしかも気をつけろとも言っていた。
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