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おぢばにおかえり

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第七十一話 詰所の中その三十九

「そこは」
「詰所に入る様になって一年ですから」
「それでなのね」
「だまそうかも知れないですね」
「私はここにお母さんのお腹の中にいる頃から来てるの」
 そうお母さんに言われました。
「実はね」
「そうなんですね」
「もう代々だしね」
「ここに来ていますか」
「おぢばに帰ったら」 
 そうしたらです。
「絶対にここに来るから。憩いの場でもあるし」
「そこまでのものなので」
「もう馴染みがあるわ」
 それもかなりです。
「だからお家というかね」
「寮ですね」
「そんな感じなの」
「そうなんですね」
「ただ別館はね」 
 駐車場に出てです、目の前のその別館を見て言いました。おみちの建物らしく瓦の屋根の建物です。
「私は殆ど入らないから」
「そちらには住んでおられないからですね」
「三階には入ったことはあるけれど」
 そちらは信者さんが休まれるお部屋です。
「二階とかは詰所や本部勤めの人達がおられるからね」
「そういった人達が住んでおられますね」
「だからね」
 それで、です。
「そこに入ることはね」
「ないんですね」
「ええ、それで別館自体ね」
「入られたことはないですか」
「そうなの。前の大教会長さんもおられるけれどね」
「奥華におられないんですね」
「あちらにもよくおられるけれど」
 それでもです。 
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