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おぢばにおかえり

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第七十一話 詰所の中その三十一

「奥華別館あるからね」
「道の向こうにですね」
「ええ、そちらにも行きましょう」
「そうですね、じゃあ今から一階まで降りますか」
「本来は最初に案内するんだけれど」
 それがです。
「御免なさい、忘れていたわ」
「本館優先で、ですね」
「そうなの、ついついね」
「じゃあ行きましょう」
「えっ、それだけなの」
 新一君は特に気にしてない感じなので私も驚きました。
「それで終わりなの」
「何かあります?」
「いえ、これは私のミスだから」
「人は誰だって間違えますから」
 それでというのです。
「そうしたことはです」
「気にしないの」
「采配ミスとか野球でもいつもですよね」
「それはね、阪神なんてね」 
 贔屓のあのチームはです。
「バッターの助っ人はずっとね」
「バースの再来ですね」
「そう言って」 
 それで、でした。
「いつもね」
「打たないんでしたね」
「そうした人ばっかりだったわ」
「完全にフロントのミスでしたね」
「ピッチャーはいいのに」 
 助っ人の人でもです。
「先発中継ぎ抑えって」
「助っ人の抑えはいなかったんじゃ」
「全体でよ」 
 助っ人の人達もそうで、です。
「本当にピッチャーはいいのにね」
「打線が駄目で」
「それで助っ人の人もだったでしょ」
 バースさんの再来と言ってです。 
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