夢幻水滸伝
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第二百五十五話 重要な島その三
「そうなりました」
「そうか、ほなその二つの港町からや」
「海南省に進出していきますか」
「そうしてくわ」
こう使者に話した。
「これからな」
「そうされますか」
「広東省と目と鼻の先の海口は降って欲しかったが」
それでもというのだ。
「今降らんのやとしゃあない」
「またあらためてですか」
「使者を送るわ」
「そうされますか」
「攻めへんのですね」
共にいる美蓮が利いてきた。
「今は」
「ああ、それはまだや」
「そうですか」
「何度も使者を送ってな」
「それでもあかんならですか」
「若しくて洒落にならん無礼をしてきたならな」
そうした場合はというのだ。
「こっちも侮られたらあかん」
「それが政ですね」
「そやからな」
その為にというのだ。
「その場合は僕等が自ら兵を率いてでもや」
「攻めますね」
「しかしあの街は今は降らんって言ってな」
「使者の人を返しただけですね」
「それやったらええ、日本の言葉であるが」
郭はこうも言った。
「鳴かせてやろうか鳴くまで待とうや」
「不如帰ですね」
「秀吉さんか家康さんや」
彼等の様にするというのだ。
「実際は信長さんも鳴かせてやろうやったがな」
「殺してしまえではなくて」
「あの人は実は敵は最後の最後まで降る様に言うてる」
浅井長政にしてもそうだった、小谷城の本丸まで迫っても降るなら助けるとはっきり言っている。そして信長は実は約束を守る人物でもあった。
「そやからな」
「鳴かせてやろうの人でしたね」
「結構鳴くまで待とうでもあったしな」
「そうでしたね、言われてみれば」
美蓮も信長のことは聞いていて知っているので頷いた。
「あの人は」
「それで家康さんも結構鳴かせてやろうや」
「そうした人でしたね」
「それで僕等もや」
「鳴かせてやろうですか」
「僕等の政を見せてな」
そうしてというのだ。
「僕等の勢力に入って大丈夫やとな」
「見せるのですね」
「そうする、それでその具体的な政としてな」
「海賊やモンスターを倒していきますね」
「これからな、トンキン湾も南シナ海も今海賊とモンスターが多い」
「それで獣も」
「全部な」
先に言った通りにというのだ。
「そうしてくで」
「今はじめたばかりですが」
「本格的にな」
「そして降る海賊やモンスターはですね」
「どんどん軍に入れたりな」
「作業員にしますね」
「モンスターは戦闘に役立ってくれるだけやない」
郭は言った。
「そやろ」
「家畜化すれば労働にも役立ってくれますね」
「それぞれの種類でな」
「そうですね」
「そやからな」
「軍に入れるだけやなくて」
「労働用にもな」
こちらにもというのだ。
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