八条学園騒動記
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第六百七十話 戦い終わって日が暮れてその七
「日本やベトナムは相当痩せていて」
「韓国もか」
「摂取カロリーは高くても」
「運動してたのかよ」
「いや、あそこ昔は極端でね」
野上君はハツを食べつつ答えた。
「学校に部活なくて」
「そうだったのかよ」
「一日の授業が十数時間とかだったんだ」
「普通六時間だろ」
「今だとね、それがなんだよ」
これは二十一世紀前半の韓国の話である。
「もうね」
「それだけあったのかよ」
「朝早くから夜までね」
「無茶苦茶だな」
「受験が激しくて」
この時代の連合にもあるが当時の韓国や二十世紀後半の日本程激しいものではない、むしろ遥かに緩やかだ。
「それでなんだ」
「授業そんなに多かったのかよ」
「それで部活はね」
「それだけ授業してたらめ」
タロが言ってきた。
「もうね」
「ないよね」
「うん、そうだね」
「だからスポーツ選手はね」
「勉強しないでなんだ」
「スポーツばかりで」
「普通の人はなんだ」
またビールを飲む野上君に応えた。
「そこまで勉強漬けだったんだ」
「そうだったんだ」
「スポーツは殆どの人がしなかったんだ」
「徴兵制はあったけれどね」
「けれど学生時代はだね」
「殆どの人がね」
まさにというのだ。
「朝から晩まで」
「勉強漬けで」
「体育の授業もなかったらしいよ」
こちらの話もだ、野上君はした。
「だからほぼ確実にね」
「運動しなかったんだ」
「そうだったんだ」
まさにというのだ。
「これがね」
「それじゃあカロリー消費は」
「頭使っても減るけれどね」
「極端だったんだね」
「スポーツするならそればかりでね」
それでというのだ。
「極端だったよ、ただね」
「ただ?」
「カロリー消費自体はね」
それそのものはというのだ。
「社会人になってもね」
「忙しいからだね」
「かなりでね」
「皆痩せてたんだね」
「そうだったんだ」
「成程ね、今の韓国と違うね」
タロは野上君の話をここまで聞いてしみじみとした口調で話した。
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