おぢばにおかえり
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第七十一話 詰所の中その二十二
「どうもね」
「太ってる人は嫌って言ってですよね」
「何か他にも色々あったらしいけれど」
この辺り誰もお話しません、何しろ天理高校に入って卒業してもおみちを大嫌いだと言って卒業式の後おつとめ着もおさづけも全部返した様な人を作って位のことですから。
「それはね」
「本当に最低の人ですね」
「人を外見で判断するから?」
「僕そのお話を聞いて思いました、人を外見で判断してはいけないって」
「先輩は反面教師ってことね」
「そうです、他のお二人もですけれど」
長池先輩と高井先輩であることもわかりました。
「ああした人達にはなりたくないですね」
「私にとっては違うけれどね」
今も尊敬出来る方々です。
「その佐野先輩にも部活でいつも凄く優しくしてもらったのよ」
「いつもそう言われますね」
「皆いい人達だから」
私が保証することでした。
「新一君もね」
「よくお話してですか」
「理解してね」
こう言いました。
「新一君にとっては一番難しいことみたいだけれど」
「嫌いな人とお話することはですね」
「そうよね、本当に嫌いになったら徹底してるから」
「この癖性分を何とかすることが僕の課題ですね」
「極端過ぎるから」
幾ら何でもです。
「全力で嫌って全力で否定して全く認めないでしょ」
「そのことは自覚しています」
「そこは気をつけてね。それと佐野先輩は此花の方の大教会の所属で」
そちらの教会の娘さんです。
ページ上へ戻る