おぢばにおかえり
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第七十一話 詰所の中その二十一
「幸せよ」
「その人はそうですか」
「そこまで想われるなら」
新一君に言いました。
「その人も応えないとね」
「そう思われます?」
「新一君はトータルでかなりいい子だからね」
やっぱりそうなると思います、問題はありましても。
「それに背は高いしお顔もいいしね」
「そうですか」
「やっぱり性格ね、性格はいい方だから」
真面目なことは事実です、そして今みたいに女の人のところには絶対に入らないと言い切ってそれを実行する誠実さもいいと思います。
「お付き合い出来ると思うわ」
「そこでまず外見は言われないですね」
「それは二の次でしょ」
三階に行くその階段のところでお話しました、
「やっぱりね」
「太ってるとか小さいとかで駄目とかは」
「人は外見じゃないから」
このことは私も思うことです。
「だからね」
「確かあの人は」
ここで新一君はこうも言いました。
「先輩の先輩のお一人の小柄な」
「佐野先輩?」
こがらと言われてすぐにわかりました、新一君が知っている私の先輩で小柄な人というとこの人しかいないからです。
「あの人?」
「あの人なんか最低ですね」
「相変わらず嫌いだと酷いわね」
それも隠しません、お顔にも出ています。
「何もかも否定するわね」
「だってあの人が振ったご本人ですよね」
「そうらしいわね」
私が聞いた限りではです。
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