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夢幻水滸伝

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第二百五十三話 兎族の仙人その十一

「それで、です」
「これからは僕とかいな」
「そう思いまして」
 それでというのだ。
「この度広州までお願いに来ました」
「そやねんな」
「それでお返事は」
「断わる筈ないやろ」 
 郭は兎の顔を微笑まさせて美蓮に応えた。
「そんなん」
「そうですか」
「願ったり適ったりや」
 その微笑みの顔で述べた。
「僕にとっては」
「ほなですね」
「これから何かと頼むで」
「それでは」
「広東省の統一は間近や」
 郭は茶を飲みつつ応えた、見れば民達がそれぞれの家の中で普通に飲んでいる様なごく普通の茶である。 
 その茶を美味いと思って飲みつつだ、彼はさらに話した。
「それでや」
「これからですね」
「統一を果たしてな」
 広東省のというのだ。
「そしてや」
「それからですね」
「どうするやが」
「お考えはありますか」
「まずは南を掌握するか」
 こう美蓮に話した。
「あちらをな」
「海南省と壮族自治区ですね」
「その二つの地域を掌握していきたい」
「まずは」
「施が凄まじい勢いで勢力を拡大してるな」
「もう二つの省を掌握して本拠地を南京から上海に移されたそうですね」
「そや、もうかなりの勢力や」
 美蓮にそうなったことを話した。
「そやからな」
「ここはですね」
「施に負けん様にな」
「勢力を拡大していきますか」
「そうしたい、やがてあいつと覇権を争うが」
 それでもというのだ。
「それまでにや」
「広東省を掌握してですか」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「海南省と壮族自治区もな」
「掌握してですね」
「あいつに対抗出来る国力を備えたい」
「そうして覇を競いたいですか」
「中国の南のな、あいつは神星でや」
 郭は施自身のことも話した。
「六将星の一人でや」
「戦では無類の強さを発揮しますね」
「そや、しかしな」 
 それでもと言うのだった。
「如何に六将星が敵でもな」
「戦うならですね」
「全力で戦ってな」
 そうしてというのだ。
「勝つで」
「そうしますね」
「戦うからにはな」
「勝つことですね」
「出来るだけ戦わんに越したことはないけど」
 施はこうも言った。
「やるならな」
「全力で、ですね」
「戦うことや」
「何でも全力ですね」
「手を抜いたら失敗するもんや」
 郭は笑って話した。 
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