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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 

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第十一幕その三

「戦時中なんてね」
「殆どなかったね」
「軍隊でもそうそうはね」
「ないものだったね」
「昔の日本軍は恰好よかったけれど」
 それでもというのです。
「今の自衛隊と比べるとね」
「自動車もなくて」
「今思うと本当に不便だったわ」
 そうだったというのです。
「昔の軍隊もね」
「日本軍の強さと厳しさは僕の国でも知れ渡っていて」
 王子はお国のお話もしました。
「お手本にしているよ」
「あの様に強くあれ」
「厳しく、規律にそうであれってね」
「言われているのね」
「陸軍も海軍も空軍もね」
 三つの軍全てがというのです。
「そう言われているよ」
「そうなのね」
「けれどその日本軍でもだね」
「車は少なかったわ」
「そうなんだね」
「ええ、そうだったのよ」
 軍隊でもというのです。
「本当に違ったわ」
「何もかもが」
「本当にね」
「そうした風だったんだね」
「ええ、けれどね」
「それがだね」
「どんどん変わっていったのよ」
 そうなったというのです。
「それで別世界みたいにね」
「なったんだね」
「パソコンも物凄く小さくなって」
「どのお家にもある様になったね」
「そうなったわ」
 実際にというのです。
「今ではね」
「そしてその世の中の変わっていく中をだね」
「私も見ていて」 
 そうしてというのです。
「お二人もよ」
「その中で暮らしていったんだね」
「六十年そしてね」
「お生まれになった時から」
「そうだったのよ」
 まさにというのです。
「お二人はね」
「そう思うと尚更だね」
「そうだね」 
 オシツオサレツが思って言いました。
「幸せなダイアモンド婚式にしたいね」
「是非共ね」
「結婚式も素晴らしいものだったなら」
 老馬も言います。
「今度のダイアモンド婚式もそうしたものにしよう」
「結婚式とどっちが大事かな」 
 ダブダブはこう思いました。
「果たして」
「どっちも大事でしょ」 
 ガブガブはそのダブダブにこうお話しました。
「同じ位ね」
「そうなるかな」
 ホワイティはガブガブの言葉に首を傾げさせました。
「結婚式と同じだけ大事に」
「今お話した通り六十年って長いからね」
 トートーはそのホワイティにお話しました。
「それだけ一緒にいられたからね」
「時ぢ亜の流れも見てきてね」 
 ジップも言います。 
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