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おぢばにおかえり

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第七十一話 詰所の中その十九

「今は女の人だから」
「それでこちらにですね」
「住ませてもらってるの」
「確か先輩より一つ上の人ですね」
「そうなの」
 これがです。
「その人もね」
「ここにおられますか」
「ええ、ただ女の人の場所だから」
 新一君にこのことは断っておきました。
「入らないでね」
「はい、それは僕もわかっています」
 新一君の返事は明朗なものでした。
「というか女の人部屋とか入っていいんですか?」
「そりゃあるでしょ」
 男の子ならです。
「興味あるでしょ」
「いえ、普通に汚かったりしますよね」
「それはね」
 そう言われるとでした。
「寮とかでもね」
「ちょっと油断すると、ですよね」
「汚くなるわ」
「お風呂でもそうですよね」
「まあね」 
 本当に否定出来ませんでした。
「それはね」
「ですから」
「それでなのね」
「僕はそうしたところはです」
「興味ないの」
「わざわざ入ったら怒られる場所に行って汚いとか」 
 そうしたことはというのです。
「嫌ですし興味ある人のお部屋とか以外どうでもいいですから」
「そうなの」
「ですから」
 それでというのです。
「こうした場所にはです」
「入らないのね」
「覗きとかの趣味もないですしね」
「紳士なのね」
 これは意外に思いました、新一君はそんな風には見えないので。それで新一君自身にもこう言いました。 
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