| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十一話 詰所の中その十八

「真一君らしいわね」
「そうですか」
「色々なところに馴染むことは」 
 最近この子は図々しいんじゃなくてこちらだと思いだしてきました、謙虚なところがあることに気付いたからです。
「らしいわね」
「そうなんですね」
「それでこの二階にもなのね」
「馴染んでいてです」
「何度かお泊りさせてもらってるの」
「そうさせてもらっています」
「それじゃあここの説明はいい?」
 もうこれでと思いました。
「それで」
「そうですね、先輩基本ここは入られないですね」
「ええ、男の人の場所だから」
 それで、です。
「ここはね」
「そうですよね」
「言われないとね」
 誰かにです。
「入られないわ」
「そうですか」
「そう、それでね」
 私はさらにお話しました。
「ここでお話してるの、それで三階はね」
「女の人だけですね」
「今からその三階に行くわね」
「わかりました」
 新一君も頷いてでした。
 私達は三階に行きました、階段からの入り口で私は新一君にお話しました。
「ここは修養科の女の人、それにね」
「本部で働いている女の人がおられますね」
「そして私もね」
 他ならぬ私自身もです。
「今はここに住まわせてもらってるの」
「そうでしたね」
「ええ、あと言い忘れていたけれど専修科の子もね」 
 おみちの専門学校みたいなところです、二年おみちのことをしっかりと勉強させてもらう課程です。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧