八条学園騒動記
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第六百六十九話 勝ったということにしてその五
「攻撃を中止してな」
「これでどれだけダメージ受けてるんだ?」
「一体ね」
「まあサハラやエウロパの要塞なら破壊されておる」
博士は率直に答えた。
「艦載機と陸戦隊の攻撃だけでな」
「それってかなりだよな」
「そうだよね」
二匹は博士の返答を聞いて二匹で話した。
「要塞が破壊される位ってな」
「尋常じゃないよ」
「まだ機械龍は余裕があるが」
受けたダメージはというのだ。
「しかしな」
「それでもか」
「博士がこれでいいっていう位のダメージを受けたからだね」
「これで下がる」
その様にするというのだ。
「これでな」
「そうなんだな」
「そういうことだね」
「うむ、それでじゃ」
博士は二匹にさらに話した。
「巻き付きを止めて超巨大戦艦から離れてな」
「そうしてか」
「撤退するんだね」
「そうする」
こう言うのだった。
「わしがそう命じればじゃ」
「機械龍はそうするんだな」
「博士の命令を聞くんだね」
「わしが造ったものはわしの命令を聞く」
博士は言い切った。
「そうでなくてはな」
「意味がないな」
「そうだね」
「造った人間の言うことを聞かないなら」
「そもそも大変だね」
「だからじゃ、わしはじゃ」
博士はさらに話した。
「わしが造ったものは全てな」
「博士の命令を聞く」
「そうだね」
「そうじゃ」
「あと少しで命じる」
機械龍にと言うのだ、こう言ってだった。
博士は機械龍のダメージを見た、そして。
機械龍にだ、こう言った。
「下がれ」
「ガオオオオオオオン」
機械龍は九つの頭で咆哮して応えた、宇宙空間なので声は外には響かないが博士達がいるルームには響いた。
その声を聴いてだ、博士はさらに言った。
「締め付けを解いてな」
「ガオオオオオオオオン」
またルームに声が響いてだった。
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