ドリトル先生のダイヤモンド婚式
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第八幕その三
「ひょっとして」
「まあそれだけのお金はあるしね」
先生は微笑んで答えました。
「それに皆がいてくれるし」
「それでなのね」
「だったらね」
「一生なのね」
「暮らしていけるから」
だからだというのです。
「僕は恋愛そして結婚はね」
「縁がなくて」
「それにこれだけ幸せなのに」
満足しているお顔での言葉でした。
「これ以上幸せ求めていいのかな」
「幸せに限界はない」
ポリネシアは言いました。
「先生いつも言ってるでしょ」
「そうそう、人はすぐそこに沢山の幸せがあってね」
ダブダブも言います。
「それに気付けるかどうかだけだって」
「不満なく感謝の気持ちを持って」
「そうして暮らしていけばいいってね」
オシツオサレツも言います、その二つの頭で。
「そう言ってるよね」
「いつもね」
「それで幸せは幾らでもあって際限がない」
ガブガブも言います。
「そう言ってるね」
「それで自分はどうしてそう言うのかな」
トートーの声はどうしてかというものでした。
「いつもね」
「今で充分幸せだからいいってね」
ホワイティは先生のそのお言葉を指摘しました。
「そう言うんだよね」
「だから恋愛は結婚はいいってね」
ジップも先生のお言葉を言います。
「縁もないしって」
「何で先生はそこで求めないのかな」
チーチーは腕を組んで首を傾げさせました。
「無欲はいいけれどそれが過ぎるよ」
「もっと欲を出していこう」
老馬は言葉で先生の背中を押しました。
「そうしていこう」
「それが一番だよ」
「私達がついているのよ」
チープサイドの家族は皆で先生を見て言います。
「何でも任せて」
「先生の為なら何だってするよ」
「気持ちだけ受け取っておくよ」
これが先生の皆への返事でした。
「それだけをね」
「やっぱり縁がないんだね」
「恋愛については」
「そして結婚も」
「やっぱりそう言うのね」
「だからね」
その為にというのです。
「本当にね」
「やれやれだよ」
「全く以てね」
「そこでいつも無欲なんだから」
「無欲さが出るから」
「無欲も先生の美徳だけれど」
それでもというのです。
「それでもだよ」
「そこでいつも前に出ない」
「人のことなら進んで協力してくれるのに」
「それで助けるのに」
「それでどうしてなのか」
「自分のことはね」
これがというのです。
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