恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百二十三話 黄蓋、策を見破るのことその十
そのことを月自身に伝えてだ。戦いながら言うのである。
「誰かが。貴女を助けてくれます」
「それは一体」
「それが誰かまではわかりません。けれどです」
「それでもなのですね」
「そうです。貴女を助ける為にその方が来られます」
そう言ってだった。命は今は月の傍にいた。彼女達も戦っていたのだ。
その中でだ。華陀はだ。
戦場に赴きだ。そうしてだった。
傷ついた者達を癒していた。あの術で。
「光になれーーーーーーーーーーーーっ!!」
「よし、これでまたな!」
「戦えるな」
「ああ、大丈夫だ」
臥龍が彼に威勢よく応える。
「あんた、本当に凄い医者だな」
「俺のこの針に治せないものはない」
「刀傷でもなんだな」
「刀傷でも何でも治せる」
それが彼の針だった。
「だから安心してくれ」
「ああ、怪我をしてもだな」
「俺の針がある」
こうだ。華陀は光の針を手に言った。
「それこそ首が飛ばない限りはいける」
「流石にそれは無理か」
「それができるのは黒子さんだったな」
生き返りは彼の担当だというのだ。
「俺じゃない」
「まあそれにしてもだな」
「怪我なら任せてくれ」
それは大丈夫だというのだ。
「何度でも治してやるからな」
「悪いな、本当に」
「それではまた行くか」
戦場に赴く臥龍への言葉だ。
「そして戦うんだな」
「正直逃げたいとも思うさ」
臥龍は笑ってこんなことも話した。
「それでもな。意地があるからな」
「それでか」
「戦ってくるな」
こう話してだった。臥龍も戦場に赴く。そしてだった。
華陀の左右にだ。それぞれあの妖怪達が出て来てだ。こんなことを言った。
「ううん、凄い戦いになってるわね」
「最初の決戦だけれどね」
「いきなりもう天王山って感じ?」
「壮絶なことになってるけれど」
「だが勝てる」
華陀は強い顔で言い切った。
「流れがそうなっているからな」
「ええ、この戦いは勝てるわ」
「間違いなくね」
二人にもそのことはわかった。戦局も読めるのだ。
そしてその目でだ。妖怪達はこうも言った。
「けれどここは第一の戦いでしかないからね」
「次もあるのよ」
「次か。あの場所だな」
「そう、あの場所でこそね」
「最後の戦いが行われるのよ」
怪物達はこう華陀に話すのだった。ここでだ。
しかしだ。それと共にこんなことも言った。
「それにあの人もね」
「もうすぐ来るから」
「いつも話してたあの人だな」
「娘さんを助けにね」
「ここに来るのよ」
妖怪達はここで言った。
「だからその人とも合流してね」
「戦うわよ」
「前に会ったな」
華陀はこうも話した。
「あの人も来るんだな」
「あの人も戦う為にね」
「来るからね」
こう話すのだった。そして華陀はだ。
二人にだ。こうも話した。
「ただ。あんた達は今は戦わないんだな」
「あたし達はそれぞれの世界を護ることが役目なのよ」
「だから過度の干渉はしちゃいけないの」
そうだとだ。怪物達は華陀に話す。
「この世界はあの娘が護るものだから」
「あまり過度に干渉すると駄目なのよ」
「そうね。わかったわね」
そんなことを話してだった。妖怪達は今は静観していた。それが今彼等がすることだった。
第百二十三話 完
2011・11・10
ページ上へ戻る