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おっちょこちょいのかよちゃん

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224 串刺しの吸血鬼、ヴラド3世

 
前書き
《前回》
 多数の敵が襲撃してくるものの、かよ子は藤木を見つけ出す為に羽根を進める。そして九尾の狐に変化する女・妲己に連行されたりえは紂王の屋敷の一室で軟禁される事になる。りえは目覚めると杯を奪われた事に気付き、脱出もほぼ不可能な状態だった。そしてその場で妲己がある少年を連れて来る。その少年はクリスマス・イブの日以来、行方不明となっていた藤木だった。藤木の嫁になる事を妲己から通告されるりえだったが、藤木は元の世界に戻りたくないようで・・・!? 

 
 紂王の屋敷。りえは用意されていた部屋でおとなしくしていた。何しろ杯は奪われており、今いる自分専用の部屋からは自力で出る事はできず、何もできない。りえはそこで藤木の嫁になるしか選択肢がない状態なのだ。
(でも、藤木君はここに連れ去られたはずなのに戻りたがっていないのは・・・?)
 りえは思い出す。冬に清水を訪れ、かよ子達と再会した時を。その時かよ子からは藤木はふとした行動から皆から嫌われてしまったと聞いた。それが理由となると辻褄が合うかもしれない。
(藤木君に会ったら聞いてみようっ・・・!)
 りえはそう思い、藤木と再び接触できる機会を渇望するのであった。

 目的地へと向かうレーニン、そして杉山はトランシーバーで報告を受ける。
「こちらレーニン」
『こちら奥平純三。今杖の所有者の付近に近づいています。ヴラド3世と同行で狙います』
「そうか。あの小娘も連戦で疲労している筈だ。疲れた所を狙え」
『はい』
 通信が切れた。
「しつこく山田達を狙ってんのか」
 杉山が聞く。
「そうだ。杖の所有者も疲弊すればおっちょこちょいしやすくなるであろう」
 レーニンは杉山と会話しながら進む。

 午後の休みから1時間程してかよ子達は羽根で次の場所へと向かう。
(敵の所にいるからかな、容赦なく人が襲ってくるよ・・・)
 かよ子はこの日だけでも多くの敵が襲って来ている為、疲れが蓄積していた。その為、時折休みをとったりしているのだが、その度にすぐに襲撃しているので休んでは戦う、の繰り返しだった。
「なんか、すぐに来そうで落ち着かないな・・・」
「かよちゃん、大丈夫だ。おじさん達も頑張って守るよ」
 椎名がおっちょこちょいの少女を励ます。
「はい、ありがとうございます!」
「皆、次の敵来てるよ!」
 関根が警戒した。
「よし、戦闘態勢だ!」
 大野が待ち構える。かよ子達も迎撃の姿勢に入った。関根が刀を振るう。直線状に地面に爆発を起こした。
「危ねえ事しやがってよお・・・」
 遠くにいる男はそう言って手榴弾を投げた。
「手榴弾だ!羽根の中に入れ!!」
 皆は羽根の中に戻った。結界で手榴弾を防御した。
「やるじゃねえか」
「それならこれはどうかな?」
 もう一人の男が長い槍を飛ばす。その長い槍も結界で防いだ。
「何度やっても無駄じゃ、ハハハハハ!!」
 友蔵は大笑いした。
「そうだね。バカだね~」
 まる子も嘲笑する。
「なら、これはどうだ?」
 男が近づいて来た。
「あれは・・・、赤軍の奥平純三!!」
「わ、私もあの人知ってる・・・!!」
 かよ子も奥平の顔は知っていた。七夕の日の夜、杖を狙う為に清水の街を大雨にして襲撃しに来た男だった。
「久しぶりだな。杖の持ち主・・・!!」
 奥平は銃を幾度も発砲した。だが、結界で弾かれる。
「何度やっても無理なものは無理なんだよお~」
 まる子は呑気だった。その時、別の男が近づいていた。
「その結界の能力(ちから)、吸わせて貰う」
 男は結界に手を触れた。結界が消滅した。
「え、結界が・・・!」
「この『吸血鬼』ヴラド3世にそんな物は無力だ」
 ヴラド3世はすぐかよ子の杖を取ろうとする。その時、かよ子の武装の能力(ちから)が発動される。ヴラド3世は遠くへ弾き飛ばされた。
「な、異能の能力の能力(ちから)とやらか・・・!!」
 ヴラド3世はそれでもめげず、槍を無数に出して串刺しをする。
「ギャアアー、死ぬーーーーー!!!」
「薙ぎ払うぞ!」
 絶叫する友蔵をよそに次郎長は石松、小政、綱五郎と共に槍を刀で薙ぎ払って防御した。だが、別方向から奥平が手榴弾を投げていた。
「俺達も怠けてられねえな!」
 大野が草の石を使い、巨木で手榴弾を破壊する。だが、破壊の衝撃で木も燃やされる。ブー太郎が水の石で放水し、消火した。
「よし、私も!」
 かよ子はリュックから花火を出そうとした。だが、誰かに蹴落とされる。
「え?」
 かよ子が羽根から落下する。
「や、山田!」
「かよちゃん!」
「どういう事!?」
 のり子は人形に透視能力を行使させる。その場には何も見えなかったが、透視させると、そこにいつの間にかブラド3世がいた。
「鳥橋のり子、落ちた山田かよ子を救え!」
「うん!」
 のり子はキャロラインと同体化し、念力でかよ子を救う。落下したかよ子を持ち上げた。だが、その隙にヴラド3世がその場に落ちた杖を拾う。
「させぬ!」
 法印大五郎が杖の周りに結界を張り、小政が居合いでヴラド3世を斬ろうとした。だが、ブラド3世は煙のように姿を消してしまい、小政の攻撃はかわされ、結界が消失してしまった。
「貰った!」
「やめて!」
 ヴラド3世が姿を消して杖を取ろうとしたが、弾かれた。かよ子が羽根の上に戻っていたのだった。
「私の杖は渡さないよ!」
 かよ子は武装の能力(ちから)のみで何とか杖を守ろうとする。
「こっちこそ簡単に諦めるかよ!」
(ここで杖を手にしないと!)
 かよ子は羽根を降下させ、落ちた杖に手を伸ばした。だが、何処からか槍がかよ子を串刺しにしようとする。
「わ、わあ!」
 かよ子は武装の能力(ちから)で槍に対して防御した。しかし、能力(ちから)をそちらに使用したところで杖が勝手に動いた。
「杖は頂いた!」
「おい、待て!」
 吉良の仁吉がヴラド3世を捕まえようとするが、ヴラド3世は煙となって消える為に捕まえる事ができない。お蝶も脇差しで仕留めようとした。
「やったか!?」
 しかし、ヴラド3世はお蝶の脇差しの能力を吸い取り、お蝶を迎撃する。
「ああっ!」
「奥方!」
 お蝶が首を斬られそうになる。関根の刀や大五郎の結界で何とか防ぐ事はできた。
「揃って死ね!」
 槍が全員を襲う。
「させるか!」
 大政が自身の槍で楯を造り、ヴラド3世の槍を防御した。だが、ヴラド3世を見失ってしまった。
「ヴラド3世はどこだ!?」
 皆は周囲を確認する。
「おい、奥平純三。杖を取ってきたぞ」
「やるな。後は纏めて俺が消しとくよ!」
 ヴラド3世は大野やブー太郎と交戦していた奥平の所に向かっていた。
「な・・・!」
「よし、レーニン様や総長に連絡だ!」
 奥平は手榴弾を投げた。
「幾つ持ってんだブー!?」
 ブー太郎は驚くも、水の石の能力(ちから)で手榴弾を水で濡らして何とか無力化した。
「私の杖が、取られた・・・!」
 かよ子は杖を取り返したいという一心で羽根でヴラド3世を追走する。いきなり羽根を飛ばすので次郎長は驚いた。
「山田かよ子!」
「杖をなんとしても取り返さなきゃ!!」 
 

 
後書き
次回は・・・
「杖を奪われた怒り」
 ヴラド3世によって杖を奪われてしまったかよ子は本部に連絡を入れ、イマヌエルは協力者を求めて各方面に呼び掛ける。そしてヴラド3世を追走するかよ子は今までにない怒りによって武装の能力(ちから)を発動させる・・・!! 
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