八条学園騒動記
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第六百六十六話 巨砲からその二
「それだけで違うからな」
「そうですね、では」
「これよりだ」
「戦闘に入りますね」
「そうする、巨砲を全てだ」
艦が備えているそれをというのだ。
「最初に放つぞ」
「わかりました」
副長も応えてだった。72
戦艦はいきなり三つある艦体のそれぞれの艦首の巨砲にエネルギーを充填させた、それを見てだった。
博士は落ち着いてこう言った。
「ふむ、敵の攻撃がじゃ」
「来ますね」
「巨砲のそれがな」
まさにというのだ。
「来る」
「それって大変なことだろ」
「そうだよね」
ライゾウもタロもソファーに寝そべったまま言ってきた。
「あの戦艦の巨砲って凄い威力なんだよね」
「一撃で宇宙海賊をアジトごと消し飛ばしたんだろ」
「そんなの受けたらね」
「このマシン大丈夫かな」
「安心するがよい」
博士は二匹にも落ち着いて答えた。
「それを受けてもじゃ」
「平気かよ、このマシン」
「そうなんだ」
「左様じゃ」
こう言うのだった。
「わしが造ったのじゃ」
「だからか」
「頑丈だっていうんだね」
「バリアーも装甲も違う」
その両方がというのだ。
「あの巨砲でもじゃ」
「壊せないんだな」
「そこまでいかないんだね」
「左様、しかもあの巨砲は連射が出来ぬ」
博士はこのことも指摘した。
「これはティアマト級巨大戦艦でも同じじゃ」
「ああ、そうなのか」
「そんなことよく知ってるね」
「そんなものば見ればわかる」
博士は二匹に何でもないといった口調で答えた、そうしながら自分でグラスに赤ワインを入れて飲む。
そしてだ、一口飲んでからまた話した。
「この目でな」
「わかるのかよ」
「見ただけで」
「わしはな」
博士はまた言った。
「わしが魔術を使えることは知っておろう」
「ああ、それでか」
「それでわかるんだね」
「そうじゃ、兵器の性能もじゃ」
これもというのだ。
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