人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった
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41話 祝賀会
前書き
◯40話での変化
サウザー
クローズマグマのデータをコピーする。
ダークキバ
シールフエッスルで一定の条件下でライダー並びに使役モンスターなどを封印することができる。封印されたシールフエッスルはリリースフエッスルとなって、召喚・使役することができる。
時は少し遡る。
黒地祝————————その正体はジオウ世界でのウォズであり、時の王者オーマジオウの忠実な家臣。勿論、祝は伊口才が転生者であること。
この世界ではその転生をした伊口才を秘書のように補佐しながら、オーマジオウに預言を受け賜る存在となっている—————————
そして今回も..............
「我が魔王。」
「質問か..................?」
「え!?え、そうですが..............」
「お前の疑問に思っていることは2つほどあるだろう。1つ——————お前の聞きたいことには前提にしておかなければならない疑問があるな。」
「.....................どうして伊口才をこの世界に転生させたのですか?仮面ライダーが現れると決まっているのであれば、わざわざ仮面ライダーという使命を負わせなくても................」
「《《逆》》だな。」
「え?」
オーマジオウの唐突な否定に少したじろぐ祝。そんな表情を見越していたかのように冷静に言い放つ。
「伊口才という人間が仮面ライダーが現れるという《《運命》》を引き寄せた...............奴が現れなければ仮面ライダーは引き寄せられなかった。」
「でもそれだけでは..............」
「奴には転生前から備わっている唯一無二の創造力がある。それこそが全てを創り、引き寄せているのだ。奴はいつか————————それに《《ふさわしい力》》を手に入れるだろうな。」
「なるほど...........だから我が魔王に与えられた知力や身体能力を遺憾なく発揮できるという事か——————————」
「だがこれでも発展途上だ。奴は徐々にその創造力を増していく—————————与えられる体への試練の数々、そして《《心の試練》》をも超えてな。」
「そうですか............なら私も支えないわけには行きません。」
「期待しているぞ——————奴は.............無理をしているところもあるからな。」
祝は改めて才を主人として認める。彼を支え、共に戦うということに自信を持てるようになったのだ。と言っても、才を魔王とは別に主人として認める心はもともとあった。
才は主人公、オーマジオウのような威厳やその世界を良くしたいという純粋なアルトルイズム的な思想は持ち合わせていない。むしろ逆で、ナルシストで唯我独尊——————と正反対とも言えるのだが、それでも惹かれるものがあるのだ。
カリスマ性、そして良くも悪くも純粋。それらがオーマジオウとの共通点だ。特に純粋さという点ではオーマジオウよりも強いと見ていいだろう。
彼の純粋さは水晶。逆を言えば、相手をそのまま写すその水晶は裏表が激しいとも言える。いくら転生———————記憶が殆どなくなり、今やAqoursや心強い仲間が居る——————としてもその水晶が前世で受けたダメージは虚無の表情として残ってしまった。自身にとっての悪には容赦がない、独り善がりで、他人に自分のことを深入りさせないような性格はある意味主人公である。
「では次の質問を———————アークとは一体何なんですか?」
「お前はもう、この世界の住人だ..............お前に私の口から言うのは間違っているが——————いいだろう。これを《《預言》》して欲しい。」
祝は固唾を飲んでその事実に対する驚愕を堪える準備をする。
「アークとは..............人間の悪意の知能だ。」
「悪意?」
「そう———————世界で呪術が流行り始めた頃に、作られた人工知能的存在。それが現在のアークだ。どういうわけかアークは時間を渡り、その人工的な知能と共に、人に様々な文明をもたらしてきた。だがそれを巡って争いの絶えない人間たちの犠牲、悲しみ、絶望、怒り、欲望、それらの負の感情を吸い上げ、やがて———————人に忘れ去られた頃に、《《人類滅亡》》をこの時代になって判断したのだ。」
「人類滅亡?」
「そして偶然、異次元に蔓延る怪人たちのデータをこの世界に呼び起こし始めた..............というのがアークだ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「という預言を預かった。」
「なるほど.................人間の悪意をこの世界から抽出された存在がアークか———————その言葉通りなら、最近怪人が多数目撃されているのも合点がいく。そしてその怪人やダークライダーのデータを利用しているのがサウザーという事か...............」
「人間が呪術で創り出した人工知能————————この点から見れば、クウガの暴走も問題なく説明できるね。」
「じゃあ.................それを破壊——————————!」
「それはおそらく無理だろう。」
「デスよね〜」
「我が魔王曰く、アークの意思はすでにこのネット世界に根付いているそうだ。仮にその意思がある場所を破壊したとしても、ネット世界を泳いで再び意思を何処かに根付かせる——————————だから、現時点ではどう足掻いても破壊は不可能だね。」
「——————————結局、やるべきことは同じさ。人々を守って、悪い怪人を倒す。それが俺たちが今1番、そしてこれからもやっていかなきゃいけないことだ。」
「そういう所は——————————認めざるを得ないな。」
「え?」
「いえ、何でもないよ。」
「今日でゲリラライブも終わったし、祝も帰ってきたことだし!今日は《《祝賀》》パーティーでもするか!!」
「祝賀................これは!!」
「ん?」
—————※—————
「祝え!!あらゆる困難を超え!!スクールアイドルの歴史に名を刻むスクールアイドルの王者!!その名も浦の星学院スクールアイドルAqours!!!今ここに我が主人とその取り巻き達がライブを成功させた瞬間である!!!!」
「「「「「「「——————————————」」」」」」」
「「「「「「「——————————————」」」」」」」
「よし、乾杯〜!」
「「「「「「「かんぱーい!!!」」」」」」
「い、祝え——————!」
「違うよ、祝。こっちはあえて無視してんの。」
「そんな————————!」
俺の指摘でようやく自らのネタ——————と本人は本気なのだろう——————が華麗に皆からスルーを受けていることに気がついたようだ。逆に俺が今言わなければ、無限にその文言を繰り返した可能性すら出てくるので................
言い遅れたが、今現在俺たちは部室でゲリラライブの成功を祝っての祝賀会を執り行っている。お祝いの料理は————————寿司やピザや云々..................数えられる数ではあるが、言い始めると時間を取るのであえて言わないでおく。
「ウッヒョ〜!!!高い寿司だ!!!」
「何を物珍しいみたいなフリを.............アンタ才に隠れて伊口家にある金で色々買ってるじゃねぇか。」
「は!?虎太郎!!何でそれを黙ってるんだよ!!!」
「別に黙ってるつもりもなかったんだけど....................てかお前も気付いてると思ってたし。」
「全く————————アンタ本当に教師か?金の使い方が荒すぎない?しかも人の金だぞ!?」
「まぁまぁ落ち着けって、どうせ減るもんじゃねぇんだから。」
「いや減るよ!!!減らないって言う方がおかしいだろ!!!」
「ほらほら、食べるものがなくなっちまうぞ〜」
「チッ..............」
竜介先生に煽られた(?)ことに少しイラッときた俺は、その気を揉み消そうとついそこにあったお菓子らしき物を口に入れる。
「あ〜!!!チカのみかんタルトが!!!!!」
「え?—————あぁ........みかんだな。」
「『あぁ.........みかんだな。』じゃないよ!!!私が食べようと思ってたのに!!!!!!」
「俺の目の前に置くってことは食べられてもいいことだろ?」
「それは...........でも無意識に食べた才くんも悪いよ!!!」
「はいはい。」
「うぅ...............食べたかったなぁ.............」
「(うっ.............)」
千歌のうるうるとしたその瞳は子供の時と何ら変わっていないようにも思える。だがそれがいい。俺はやっぱりこの千歌が好きなんだ。だからこそこんなうるうるとした子供っぽい顔を見せられるといくらムテキでも克服しようがないのだ.......................
「しょうがねぇな。また今度みかんのスイーツご馳走してやるよ。」
「ホントに!?何でもご馳走してくれる!?」
「お前その言葉待ちだっただろ..............!」
「チカはそんなこと考えてないのだ〜」
こう見えてこの高海千歌という女はある一部分において、計算高さを垣間見せる時が度々ある。こういう物は末っ子の妹だからこそ身についた物なのかもしれないが....................とそんなことを話していれば、千歌の隣に座っていた曜が口を挟んできた。
「千歌ちゃんだけズルい!!私も《《才君》》とスイーツ食べに行きたい!!」
「私も興味あるかな。久々に《《才》》と話してないし。」
「じゃあ私も———————」
「ちょっと待て!!お前ら全員かよ!!!」
「別にいいんじゃありませんか?伊口家の財産など余るほどあるでしょうに。」
「ダイヤ、言ってること竜介先生とさほど変わりないぞ?」
「いいんじゃない?ライブ頑張ったご褒美にそんなスイーツご馳走してくれたって。」
「—————————鞠莉、お前が1番言っちゃいけない気がするんだけど.............あ〜仕方ねぇ。わかったよ。全員連れて行ってやる。こうなるとスイーツバイキングでも取るしかないな.................」
結局千歌を連れて行くどころかAqoursメンバーの全員、当然虎太郎や稜も連れて行くことになる。それにしても途中から俺の名前が連発されていたのは.................気のせいだよな?
そこから2〜3時間が経過し、時刻は夜の7時ごろになっていた。興に入っていた祝賀会での食事の手もペースを落とし、口数が多くなってきていた。それにしても......................
「暇だなぁ〜」
「暇なら作詞とかやったらどうだ?」
「それは却下!」
「お前............ホント小さい時から何も変わってないな...............」
稜が苦言を呈したことではあるが、変わっていないのは何も悪いことばかりではない。むしろ、『やるだけやる』という千歌の偉大な信念も変わらぬものの1つとして挙げてもいいだろう。ただ、悪いことももちろんある。
「じゃあ血液型占いでもするか。」
「血液型占いって———————それくらい皆知ってるよ。」
「じゃあ、千歌。花丸の血液型知ってるか?」
「ずらっ、マルの?」
「ええと..................A型?」
『ブッブーですわ!!!!』
「え!?」
「いや〜ダイヤのこの音声ホント役に立つな〜」
「い、いつの間にそんなの録音したんですの!?」
「えっと..............最近だったかな。」
最近とはぐらかしているが、実際言うとダイヤと千歌がスクールアイドルクイズをした時にネタにしようと録音したものだ————————うん、天才。
「とにかく、みんなメンバーの血液型を把握してるわけじゃないし面白そうだろ?」
「ああ。チームワークとかその辺の力を鍛えるのにピッタリだ。」
「確かにな。」
魁と稜が俺の意見に賛成の文言を述べる。
この中にはこう言う人もいるかもしれない。血液型占いはバーナム効果によるハッタリであるから信じてはいけないと。ただ、血液型によって思考方法が違ったりとかわかっていない部分も多い。だから一概に絶対に間違っているという結論もまた急いでいるように見える。
「じゃあ...........1番最初は..........O型からにしようかな。」
「マルはO型ずら。あと善子ちゃんも。」
「なっ!だ、堕天使に人間の血など.................」
「え?じゃあ今検査『すいません』よろしい。」
「あと果南もO型じゃなかったっけ?」
「え、あぁ〜確かそうだったかな。」
「.............確かに果南はO型っぽいよな。お姉ちゃん気質だし。」
稜に指摘されて名乗りを上げた果南。果南のような性格の人間は血液型に一見して興味がないようにも見える。だが、当の本人を見てみるとシラーっとした雰囲気は更々なく、むしろ自分がどのような診断を言い渡されるかを楽しみにしているような感じも漂わせる。
「あと男だと.............竜介先生がO型かな。」
「「「えぇ................」」」
「何だよ!!俺と同じがそんな嫌なのか!?」
「だって............バカじゃん。」
「果南、お前が言えんのか.....................でもそういう本能的な性格はO型の占いに書かれていた事だな。」
「本能的って................要するにバカってことでしょ?」
「お前の固定概念だろうけど.............一概に否定はできないな——————でも本能的じゃないバカも何処かにいるけどな〜」
「ふーん、元々が狩猟民族からの血液型だから健康的..............それに実はプレッシャーに弱いとか生活力旺盛とかロマンチストっていうところもO型の特徴だね。」
俺のタブレットを覗き込んでその解説を皆に聞かせる曜。もちろん全てが当てはまるというのはバーナム効果だろうが、それでもその人間の本質的に当てはまるというところもあるだろう。
「ロマンチストっていうところは善子ちゃんが当てはまってるずら。」
「何でよ!!!」
「自分でわからないんですの..............?」
「いやそんなこと言うならアンタもプレッシャーにめちゃくちゃ弱いじゃない!!」
「それに至ってはみんな共通してるバーナム効果ずら。」
「ぐぬぬ.....................」
確かに花丸や善子が単純で本能的な性格であるかと問われれば、否である。むしろ真逆であるが、それとは別にO型の性格診断にロマンチストやプレッシャーに弱いと言う点で共通している。もちろん貶しているわけではない。むしろロマンチストであると言う点は、俺にとって———————女の子らしくていい傾向であると言える。
「じゃあ次行ってみよ。次は————————A型の人!」
「私と———————ルビィですわ。」
「あっ、私もA型よ。」
「あと俺と———————!」
「俺だな。」
「やっぱりA型は日本で1番多いだけあって、それが反映された結果なのか?」
「さぁ................?」
千歌の呼びかけに応じたのは黒澤姉妹に、梨子、稜、虎太郎だ。5人というAqoursの1/3の人数がA型である。先ほども言ったが、このAqoursは日本の血液型の縮図のようにも思える。ここで魁のコメントからそれについてのトークが始まる。
「なるほど....................メンバー的には真面目系の奴らばっかだな。」
「あとおしとやか....................でもないな。特に『——————』すいません。」
「ふざけないでくださいますか?」
「あぁ...............A型の人は突然キレ出すとか、ヒステリックなって———————はい。」
「A型は..............思いやりで気配り上手。勤勉でハメを外さない優等生タイプらしいね。」
「じゃあ結構当てはまってるな。ここにいるダイヤさんを始めとする5人全員が勤勉で気配り上手、そして優等生って言っても差し支えないだろ。」
「まぁ.............確かに。」
言わずもがな、ダイヤはもちろん虎太郎や稜、梨子は優等生感が溢れ出ていると言っても過言ではない。この5人で一回Aqoursのミーティングをやらせてやれば、ボケキャラがいないという理由でツッコミもなしにズンズンサクサク物事が進んでいくだろうと思う。特に虎太郎に至っては多くを語らない性格な故、何か特別なことがない限りは俺が俺が弄れない強敵でもある。
ここで稜があることに気づく。
「待てよ、そういえばルビィとダイヤで同じって事は黒澤家全員がA型って事か?」
「まぁ............そういうことになりますわね。」
「じゃあ黒澤家でその血液型を受け継いでいってるってわけか..................黒澤天青も几帳面で頑固そうだからな〜黒澤母も気配り上手感が出てるし...................」
「あ〜それわかるよ才君。」
曜が俺の見解に対して同調を示す。
「気配り上手っていうところじゃ梨子ちゃんもずら。」
「確かにね。あの時ダイヤが秘密を隠してるんじゃないかって、いち早く気づいたのは梨子だし。」
果南の言う通り、ダイヤが堕天使奥義を喰らったときのことは梨子がいち早く気づいたことも結果的にサウザーをボコることに成功した一因でもあった。その心理を見透すような力というのは、このスクールアイドルにおいて極めて重要なものだ。
そういえば..................
『そしてそれを償うのも.................私の仕事だ。』
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