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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 

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第三幕その二

「まず日本シリーズを観てね」
「ああ、阪神と南海の」
「御堂筋決戦ね」
「お静さんはそれを観たんだ」
「第七戦まで観て」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「東京まで行ったんだ」
「新幹線に乗って」
「その年開通していて」
「それに乗ってよ、新幹線の速さといったら」
 ここでも笑顔になって言います。
「もうね」
「凄かったんだね」
「まさに風みたいに思ったわ」
「それであっという間に東京まで行って」
「観たわ、開会式もね」
「まさに梯子だね」
「そうしたわ、今回のオリンピックも観たし」
 そうもしたというのです。
「前回はね」
「そうしたんだね」
「ええ、大変だったけれど楽しかったわ」
 お静さんは笑顔で言いました。
「あの時はね」
「先生、昭和三十年代ってどんな感じだったのかな」
 ホワイティは先生に尋ねました。
「一体」
「高度成長期だよね」
「その頃ってね」 
 チープサイドの家族も言います。
「丁度ね」
「そうだったね」
「その頃の日本ってまだ古いものが残っていたらしいわね」
 ガブガブは自分が聞いたことを言いました。
「そうだったのよね」
「まだテレビは白黒で」
 ポリネシアはそのテレビ、現代のカラーテレビを観ています。
「画面は小さくて重かったのよね」
「洗濯機とか冷蔵庫も高価でね」
「まだまだなかったんだよね」 
 オシツオサレツも言います。
「それが皆に広まっていった」
「その頃だね」
「車もまだまだ少なかったんだよね」
 ダブダブはこちらのお話をしました。
「そうだよね」
「オート三輪なんてあったらしいね」
 トートーはこの車のことを言いました。
「何でも」
「それで週刊漫画雑誌も出て来た頃だね」
 当馬はこちらを思い出しました。
「そうだったね」
「コンピューターなんて夢みたいなもので」
 ジップはドラマとか映画から思いました。
「物凄く大きかったんだよね」
「いや、今と全然違うね」
 チーチーの言葉はしみじみとしたものでした。
「昭和三十年代だと」
「そう、何かとね」  
 先生も皆に応えて言います。
「今と違ったよ」
「そうだったね」
「その頃の日本ってね」
「今と全然違って」
「別の国みたいだったね」
「テレビなんてね」
 そのテレビを観つつ言うのでした。
「白黒で真空管で」
「今のと違うね」
「本当に全く」
「そうだったわね」
「だからね」 
 それでというのです。 
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