八条学園騒動記
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第六百六十三話 最強のロボットを造るその三
「一人もな」
「これまでですか」
「何しろわしは常に危険視されておる」
「実際に滅茶苦茶してますからね」
「人はそう思うからな」
この宇宙の知的生命体達はというのだ。
「だからじゃ」
「何をするか見る為に」
「実際野上君も周りから何かと聞かれるであろう」
「ええ、仕事のことは」
「二十一世紀前半の小田切君もであった」
彼のことを思い出しながら話した。
「他の助手達もじゃ」
「博士のことを聞かれてましたか」
「そうであった」
こう野上君に話した。
「そしてそれが全部時の政権の耳に入るからのう」
「助手は人間側が博士に送った目付ですか」
「そうした意味合いもある、またわしのことを話されても困らぬ」
一向にという言葉だった。
「だからわしはじゃ」
「いつも助手を傍に置いてですか」
「そのうえでじゃ」
「危険物の製造開発にですね」
「大量殺人や生体実験も行っておる」
その様にしているというのだ。
「尚わしは凶悪犯やヤクザ者以外で生体実験は行わん」
「殺人もですよね」
「こうした連中は嫌いであるからな」
それ故にというのだ。
「その素材にしておるのじゃ」
「そうなんですね」
「それで君達助手はな」
「博士のそうした行動を見てですね」
「人間社会に伝えるのもな」
このこともというのだ。
「仕事ということじゃ」
「だから僕達は誰も何も言われないんですね」
「左様、言われるのはわしでじゃ」
それでというのだ。
「罪に問われておるのもじゃ」
「博士だけですね」
「助手の君達は問われたことがない」
「一人もですか」
「わしの傍におるだけだからな」
「そうなんですね」
「尚わしは福利厚生は常に考えておる」
助手に対してのそれはというのだ。
「だから野上君もじゃ」
「お給料いいですね」
「そうであろう」
「お陰で不自由なく暮らしています」
「ボーナスも出しておるしな」
こちらも忘れていないのだ。
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