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プリンセスは世間知らず

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第三章

「そうなのだ」
「左様ですか」
「そうした方なのですか」
「エレオノール様は」
「王宮から殆ど出られたことはなくな」 
 そうしてというのだ。
「日々家庭教師の方が言われることを学んでおられた」
「そればかりなので」
「だからですか」
「世間のことはですか」
「ご存知ないのだ」
 そうなっているというのだ。
「今回王も姫様のそうしたところをご存知でな」
「ドラゴン退治をいい機会と思い」
「そうしてですか」
「送り出されたのですか」
「そうだろう、しかし姫様に掠り傷一つあってもならない」
 マルゴはこのことは強い声で語った。
「幸い今は安全な場所ばかりでモンスターと遭遇していないが」
「その時は戦いますね」
「我等が」
「姫様には後ろに下がって頂いて」
「そうしていくぞ」
 真面目な顔で語った、そうして旅を続けていくが。
 ドラゴンが巣にしている山に入るとだった。
 早速モンスターが出て来た、それもだった。
「くっ、多いな」
「しかも強力なモンスターばかりだ」
「これは激しい戦いになるぞ」
「覚悟するか」
「皆さん私の指示に従って下さい」
 マルゴも兵達も身構えた、だが。
 エレオノールは馬に乗って前に出て彼女達に告げた。
「私が前に出て戦いますので」
「あの、姫様はです」
「後ろにお下がり下さい」
「危険です」
「危険は承知のこと。戦いなのです」
 エレオノールの声は落ち着いたものだった、既に鎧兜と盾で全身を包みその右手には見事な大剣がある。
「ですから私も戦います」
「危険でもですか」
「私も戦力です、マルゴさんは私と共に前に出てです」
 指示も出した。
「馬に乗って戦い他の戦闘系の方は前列で私達の補助、弓矢や魔法や鉄砲の方も同じです」
「そうして戦うのですね」
「回復の術を使える方々を守りつつ戦っていきましょう」
「それでは」
「皆さん敵の数が減るまで守りに徹して陣を組んで戦いましょう」 
 こう言ってだった。 
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