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おっちょこちょいのかよちゃん

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216 黒魔術の魔女、ラ・ヴォワザン

 
前書き
《前回》
 さりは夜中に謎の夢を見る。そしてその夢の中に現れた男子を見て驚いていた。そして夜が明け、かよ子達藤木救出班は黒魔術を操る女・ラ・ヴォワザンと交戦する。大野やブー太郎はラ・ヴォワザンが持つ瓶を破壊したが、その破壊された瓶の毒でかよ子の羽根の結界が無効化されてしまう。黒魔術による毒の攻撃はまだ続く!! 

 
 丸岡と西川はスターリンと共に東部へ進む。
「聞いた情報では黒魔術で有名なラ・ヴォワザンという女が杖の所有者達を襲撃しているようだな」
「またやられる可能性があるんじゃないのか?ガキは次郎長軍団と行動を共にしていると聞くからな」
「確かにあの女も私は信用しておらん。まあ、せいぜい持久戦で何とか切り抜けて欲しいものだ。あの女の所に間に合えば我々で狙える」
「そうだな・・・」

 かよ子はラ・ヴォワザンと交戦を続ける。ラ・ヴォワザンは別の瓶を出した。
「これで貴様らはただの人間になるのだよ!」
 瓶の蓋が開けられる。煙が舞い上がった。
「大五郎!あの毒から法力で皆を守るのだ!椎名歌巌、富田太郎、お主らの能力(ちから)であの毒を水で浄化せよ!」
「了解だブー!」
 法印大五郎が錫杖で結界を張り、ブー太郎と椎名が水を放出して毒を薄め、浄化を試みた。
「・・・ん!?」
「関根、どうした!?」
「あの女が消えている!」
「何!?」
 椎名とブー太郎が攻撃している場所とは反対の場所から毒の煙が立ち上がった。
「・・・あ!」
 かよ子はうっかりその煙を吸ってしまう。ラ・ヴォワザンは近づいて来た。
「しゅ、瞬間移動・・・!?」
「これで杖は貰ったよ!あんたらも死にな!」
 ラ・ヴォワザンは即死の毒を空中に舞う。ブー太郎が何とか水の石で毒を溶かした。
「ちい、山田かよ子、意識はあるか!?」
 石松が促す。
「う、うん・・・」
「あの女から離れる!羽根を飛ばすのだ!」
「解った!」
 今かよ子が持つ武装の能力(ちから)はラ・ヴォワザンの毒で無力化されてしまっている。これでは人数は有利でもかよ子や杖を守りきれるか微妙なところだった。
「あの女・・・!」
 大野のポケットから雷の石が光り出す。電撃がラ・ヴォワザンを襲撃した。
「へん、そんな攻撃、あっけなく防御できるのよ」
 ラ・ヴォワザンは左手に黒い穴を作った。その手の穴に電撃が吸い込まれていく。
「駄目か!」
 かよ子は怠けている場合ではないと思った。杖を出す。
「大野君、その電撃、利用させて!」
「え?お、おう!」
 かよ子は雷に杖を向けて電撃を操る能力を得た。更に強力な電撃を放つ。
「いけえ!」
 その電撃がラ・ヴォワザンを狙う。
(お願い、上手く行って!!)
「ふん、威力を増やしたって無駄よ」
 ラ・ヴォワザンはそれでも余裕の表情をしていた・・・、が、痺れを感じていた。
「う!?」
「これだけの電撃を吸い込めるかな!?できるんならもっとやるよ!」
 かよ子は敢えて挑発する。ラ・ヴォワザンは黒い穴を消した。
「くう!なら、これでどうかな?」
 ラ・ヴォワザンは泥をかよ子達に投げつけた。かよ子と大野は電撃で対抗するも、泥に吸収されてしまう。だが、のり子の人形、キャロラインの念力にブー太郎の水の石で粉砕させた。
「ブー太郎、のりちゃん、ありがとう!」
 かよ子は二人に例をする。
(こうなったら・・・!)
 かよ子はリュックから花火を出した。
「おおっと!」
 ラ・ヴォワザンは慌ててかよ子から離れる。
「逃げても無駄だよ!」
 かよ子は花火に杖を向け、火薬を操る能力を得る。爆弾を後退したラ・ヴォワザンに向けて投げつけた。ラ・ヴォワザンが爆発に巻き込まれる。
「やった・・・?」
 ラ・ヴォワザンはその場にはいなかった。しかし、そこにあったのは木でできた人形だった。
「人形・・・?もしかして、今の偽物!?」
 かよ子は自分が今倒したのは本物の魔女でないと気づいた。その時、のり子の人形が喚起する。
「皆、ラ・ヴォワザンは自分の分身を作り出して襲うつもりよ!」
「何!?この!」
 関根は刀を振るう。その剣圧で周囲の地面を粉砕させた。
「空中か!」
 関根は見上げる。ラ・ヴォワザンが複数人、上空から襲う。
「く!」
 次郎長も刀を振るう。全員を瞬間移動させた。
「皆の者!どれか本物か偽物か分からん。別れて戦うぞ!」
「うん!」
 皆はそれぞれのラ・ヴォワザンと個別に戦闘を行う。
「奴は合計11体おる・・・。1体が本物で残りは身代わりか!」
 かよ子は石松と組んで戦う。

 こちら杯の奪還に向かうゆりと四人の女子高生達の部隊。鯉沢や政美などの探知より敵との交戦の準備を万全にしていた。皆は列車から降りて敵の来る方向を確認する。
「準備はいいかしら?」
「おうよ、んじゃ、うちから行くけえ!」
 鯉沢は銃から光線を放つ。地面が砕かれる。光江の御守も光る。
「動けなくしたわ!」
「私が行くわ」
 ゆりが突進する。ゆりはアンクレットで体内に毒を精製させた。標的は女だった。ゆりは拳を女に突刺そうとしたが、寸前のところで避けられた。
「おおっと、危ないわね・・・」
「貴女、誰なのよ?」
 ゆりは問答した。
「私・・・?ボリシェヴィキを支持するエカチェリーナっていうのよ」
 女は自己紹介した。
「レーニンから聞いたわ。貴女達が剣を奪った集団ね」
「だとしたら?」
「ここで纏めて消すわよ」
 エカチェリーナは今度は自らゆりに突進する。ゆりは武装の能力(ちから)で防ぐと共に彼女を殴る準備をする。だが、先程の彼女の行動が頭によぎった。
(そういえばさっき光江ちゃんの御守で動けなかったはず・・・。どうして私の攻撃をかわせたの?)
 ゆりは光江に向かって叫ぶ。
「光江ちゃん、御守で動けなくしたわよね?」
「はい!」
「エカチェリーナは動けてるわよ!」
「え、ええ!?」
「私はキリスト教を支持するけど、夫は神を信じないのでね、その意志も一部受け継いでるのよ!私に神の攻撃をしたって無駄ね」
(な・・・!!だから光江ちゃんの御守が完全に効かなかったのね!)
 光江の御守は神戸にある神社の能力(ちから)が入っていた。神の能力(ちから)を利用して彼女は戦っているのだった。
「命が惜しかったら剣を渡しなさい!どっちにしても抹殺するけどね」

 かよ子達藤木救出班はラ・ヴォワザンとその分身と戦い続けていた。
「ま、まる子〜!!」
 友蔵はまる子の元へ急ぐ。まる子は小政と共に一人のラ・ヴォワザンと相対していた。
「まる子、大丈夫か?」
「おじいちゃん!」
「何、余所見してるのかしら!」
 ラ・ヴォワザンが毒入りの瓶の蓋を開ける。
「危ない!」
 友蔵がまる子を抱えた。
「お、おじいちゃん・・・」
「ええい!」
 小政が居合斬りで、ラ・ヴォワザンを両断する。
「やったか!?」
 しかし、その魔女は分身だった。人形が真っ二つにされていた。まる子と友蔵は毒を浴びる。
「う、うう・・・」
「二人共、しっかりせい!」
 小政が駆け寄った。
「この毒を何とかせねば・・・!!」

 かよ子は石松と共にラ・ヴォワザンを狙う。
「山田かよ子!某の刀を写しとれ!」
「うん!」
 かよ子は石松の刀に杖を向け、剣に変化させた。
「いけえ!」
「ふん、まずはその能力を消してやるわよ!」
 ラ・ヴォワザンは毒の瓶を出す。
「させるか!」
 石松が刀を振るう。剣圧で瓶を持った彼女の腕が斬られた。石松はその瓶を腕ごと手にする。
「形成逆転だ!」
 石松は瓶の蓋を開けてラ・ヴォワザンに浴びせた。
「それで終わりと思ったら間違いだよ」
 ラ・ヴォワザンはもう片方の手で黒い穴を出し、毒を吸収しようとした。
「させないよ!」
 かよ子は剣を振るう。
(これで決まれば・・・!)
「おおっと、近づいたらあんたごと吸うわよ!」
 かよ子は吸い込まれそうになる。
「くう・・・!!」
「や、山田かよ子ー!!」 
 

 
後書き
次回は・・・
「本物はどれだ」
 ラ・ヴォワザンの穴に吸収されそうになるかよ子。この危機を回避する事はできるのか。そして今戦っているラ・ヴォワザンは本物か、それとも傀儡か。そして誰と戦っているラ・ヴォワザンが本物か。藤木救出班は苦戦する・・・!! 
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