夢幻水滸伝
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第二百四十四話 上海を手に入れその一
第二百四十四話 上海を手に入れ
碧が故宮に来た、そしてだった。
施と会った、ここで碧は開口一番彼に言った。
「いやあ、ここはいいおのこが大勢おるのう」
「自分婿さん一筋にするつもりやろ」
「候補者がよおさんおるのはいいことじゃ」
向かい合って座っている施ににんまりとして話した。
「そやからじゃ」
「ええ男がよおさんおるのはいいことか」
「そうじゃ、それで仕事の話じゃが」
「ああ、話は聞いてるな」
「上海の裏社会の掃討じゃな」
碧は自分から言った、卓の上にはお茶とマーラーカオがあり彼女はマーラーカオを食べつつ応えた。
「それじゃな」
「頼めるか」
「他ならぬ施ちゃんの頼みじゃけえ」
碧は施に明るい笑顔で応えた。
「報酬も貰ったしのう」
「やってくれるか」
「もう手勢を連れてきちょる」
「そうなんか」
「愛ちゃんとも話してな」
地下世界で共に戦いそちらの統一を進めている彼女と、というのだ。
「工作に秀でたもんばかり選んでじゃ」
「連れて来たんか」
「そうじゃ、早速上海に潜り込んで取り掛かるわ」
「そうか、頼むな」
「これも世界を救う一環じゃ」
「ヤクザ屋さんをどうかすることもやな」
「そうじゃ、その第一歩を踏み出す前の呼吸にしても」
それに過ぎないことかも知れないがというのだ。
「それでもじゃ」
「こうしたことをしてこそやな」
「世界を救えるけえ、あとじゃ」
「あと?どないしたんや」
「仕事が終わったら飲むけえ」
にこりと笑ってこうも言った。
「わらわは鯉が大好きじゃ」
「ああ、自分そやったな」
「お好み焼きと牡蠣と蜜柑とじゃ」
「鯉が好きやったな」
「海の幸もええが」
そこに牡蠣もあることは言うまでもない。
「鯉もじゃ」
「好きやったな」
「鯉はカープじゃけえ」
起きた世界の野球の話もした。
「しかも美味しい」
「それでやな」
「食べるのも好きじゃ」
「ほな刺身用意するな」
「そうしてくれるか」
「中国のな、とびきりの鯉を思いきり凍らしてな」
その様にしてというのだ。
「中におる虫は殺しておく」
「そこもするのう」
「川魚やからな」
それ故にというのだ。
「まずはな」
「虫を殺しとかんとのう」
「危ないからな」
「有り難いのう、美味しいものを食べても」
「そこは気をつけんとな」
「そうじゃ、火を通さんなら」
それで殺菌しない場合はというのだ。
「凍らせてじゃ」
「殺菌せんとな」
「そうじゃ、わらわもお魚というか川や海の幸はな」
「生で食う場合はやな」
「生が大好きなだけにじゃ」
まさにそれが為にというのだ。
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