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八条学園騒動記

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第六百六十一話 朝に思うことその六

「日本軍をやり合ってる時にな」
「その日本のですか」
「左様、いい思い出じゃ」
「博士って色々あったんですね」
「二百億年生きておってな、しかし梅はな」
 あらためてこの実の話をした。
「よいな」
「博士もお好きですね」
「かなりな、ちなみに日の丸弁当は乃木大将からじゃ」
 乃木希典、彼からだというのだ。
「あの人がはじめたのじゃ」
「そうだったんですか」
「あの人の弁当がな」
「その日の丸弁当だったんですか」
「普段は稗飯を食べておったが」
 ご飯に稗を入れたものである。
「外では奮発してじゃ」
「それだったんですか」
「それでも陸軍大将としては極めて質素であった」
「質素な人だったとは聞いてますけれど」
「実際に質素でな」
 それでというのだ。
「そうしたものを食べておったのじゃ」
「そうでしたか」
「その乃木大将を思いつつな」
 そうしてというのだ。
「食しておったし今もな」
「乃木大将を思いながらですか」
「日の丸弁当があれば食しておる」
「そうなんですね」
「そうじゃ、昔は白いご飯はな」
「高価なものだったんですね」
「だから軍隊も人気があった」
 入ることについてというのだ。
「その白米が好きなだけ食べられるからな」
「だからですね」
「そうであった、そしてじゃ」
「そして?」
「わしも好きでな」
「ですね、博士ご飯もお好きですね」 
 野上君もそれはと応えた。
「白いそれも」
「そうであるな」
「カレーにしてもハヤシライスにしても」
「丼もな」
「お好きですね」
「白米はよい、ただ栄養は澱粉だけであるからな」
 その為にというのだ。
「あまりないからじゃ」
「おかずがどうしても必要ですね」
「そればかり食しておるとな」
「脚気になるんでしたね」
「だから江戸時代は街では多かった」
 江戸後の東京や大坂でだ、その為当時脚気は江戸腫れや大坂腫れと言われ多くの者が命を落としていたのだ。 
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