恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百二十話 于吉、埋伏を作らんとするのことその九
「宜しくお願いしますね」
「いい仇名だと思うんだけれどな」
「そうは思いませんけれど」
「よくないか?ムチ子ってな」
「そのままじゃないですか」
「だから。それがいいんだよ」
ラルフはあくまでこう主張する。
「ムチを持っててウィップだろ」
「はい、それはその通りです」
「ならムチ子でいいじゃないか」
また言うラルフだった。
「それでな」
「何かラルフさんのネーミングセンスって」
ウィップは困った顔でラルフに話す。
「どうしようもなくださいですから」
「おい、そう言うのかよ」
「いや、それは否定できないな」
そのことについてはクラークもだ。ウィップについて述べる。
「ラルフのネーミングセンスは昔だからな」
「おい、長年の戦友に対してそれかよ」
「戦友だから言うのさ」
クラークはクールに笑って述べる。
「心配してな」
「心配する顔には見えないがな」
「俺は表情には出さないタイプだからな」
「都合のいい時はそう言うんだな」
「ははは、それは気のせいだ」
飲み食いしながらだ。二人は笑顔で談笑する。そしてその二人を見てだ。
レオナもだ。微笑んでいた。そうして言うのだった。
「何かこうしていると」
「楽しいか?」
「そうなんだな」
「はい、楽しいです」
こう言うのだった。
「とても」
「そうだろ。楽しいだろ」
「こうして皆で楽しくやればいいんだよ」
まさにそうだとだ。ラルフもクラークも応える。そうしてだった。二人でレオナに対してだ。笑顔でこう言ったのである。
「さあ、どんどん飲めよ」
「そして食うんだ」
言いながらレオナの皿にパスタを盛りワインも注ぐ。
「もう飽きる位な」
「楽しめよ」
「はい、そうさせてもらいます」
二人に応えてだ。レオナもだった。
「今も」
「よし、じゃあほらな」
「飲むんだ」
ラルフはさらにだ。パスタを盛りだ。クラークも杯に極限まで注ぎ込む。その並々と注がれた紅い酒を見てだ。レオナはこんなことを言った。
「ワインですが」
「結構飲んでるよな」
「好きなんだな」
「身体にいいですし」
まずはここから話すレオナだった。ワインについて。
「それに美味しいですね」
「大人の味っていうかな」
「そうした感じだからな」
「はい。何か飲んでいると」
どうなのかというのだ。
「それだけで大人になった気持ちにもなります」
「ビールもいいけれどワインもな」
「かなりおつなものだよ」
二人もこう言ってだ。さらに飲むのだった。そしてウィップもだった。真っ赤になったその顔でだ。にこにこと笑ってだ。三人に話したのである。
「お酒は病みつきになりますね」
「かといってもアル中にはならないようにな」
「それは注意しろよ」
「はい、わかっています」
こう返すウィップだった。
「お酒は飲んでもですね」
「飲まれるな、な」
「それはわかってるな」
「はい、どんなに飲んでもそれはありません」
ウィップ自身も言う。
「ワインについても他のお酒についても」
「バーボンなんかは強くてな」
ラルフはバーボン、彼の国のアメリカの話をはじめた。
「油断してるとすぐに酔い潰れるからな」
「ウイスキーもだな」
クラークはこの酒の話をする。
「あれもきついからな」
「ストレートで飲んだら余計にな」
「くるからな」
「強いお酒には注意ですね」
レオナもそのことを言う。
「身体にも」
「ああ、ウォッカは特にな」
「あれはもう爆弾だよ」
「ちょっと飲んだらノックアウトされるからな」
「とんでもなく寒い場所でないと飲むのは危険なんだよ」
「ウォッカといいますと」
ウィップの知っているウォッカはというと。
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