ライブジャスティスシリーズ
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五河リベレイト/魔王のライダー
壮絶な戦いの末、十香を取り戻した士道。
抱きしめる十香へ士道は問いかける。
士道「苦しかったよな、もう大丈夫だ」
十香「私の事、皆は許してくれるのか……」
士道「当然だ、皆お前の帰りを待っている」
十香「でも……私は……」
すると士道は気付く、十香が自分の服を握る手から徐々に透明になっていくのを……
士道「十香……」
すると後ろから
???「大したものだよ、まさか魔王に浸食されたプリンセスを救い出すとは」
士道「お、お前は……」
手に黒いガイアメモリを手にするその男は……
士道「アイザック!!」
アイザック「実に久しいな、この世界で再び相見えた事を光栄に思うよ。この左目が疼くぐらいにね。
士道「そ、その顔は!!」
アイザックは髪を掻き上げると、青く爛れ、左目が金色になった素顔を見せた。
アイザック「この美しい顔に酷い事をしてくれたものだ、未だに痛みを感じるが君に会えて痛みが和らいだよ。あの時……
始原の精霊に力を与えられたワイドゼロショットが直撃したあの傷がね……」
士道・十香「!!!!」
あの時の攻撃……それがアイザックの傷の正体だと知る。
アイザック「昔話はこのぐらいにしよう、さあ、このゲームの最終ラウンドと行こうか!!」
アイザックは黒いガイアメモリを手にし起動する。
ベルゼバブ!!
ゴオン・ゴオン・ゴオン・ゴオン・ゴオン・ゴオン・ゴオン・ゴオン・ゴオン・ゴオン
ベルゼバブメモリに引き寄せられるかのように空から10本の黒いメモリ、魔王のメモリが召喚され、クリフォトの樹を形成する。
アイザック「君達は幸福だよ、何せ君たちはこの世界で唯一、第二の始原の精霊を目撃するのだから」
士道「まさか……」
アイザック「始原の精霊にして破滅の魔王・仮面ライダーにしてウルトラマン、10の魔王のメモリを束ね、今ここに……」
10のガイアメモリ融合し、ドラゴン型のガジェットへと姿を変える。
アイザック「ディアボロスメモリは誕生した!!」
十香「あれが……真の魔王……」
アイザック「始めよう、このロストドライバーを使えることをどれだけ待ちわびたか」
アイザックはロストドライバーを装着すると、ディアボロスメモリは変形し、ガイアメモリになる。
それを手にするとアイザックはボタンを押した。
デイアボロス!!
アイザックはメモリを持った手を広げ、胸元に返す。
アイザック「変身!!」
ガシャン、ガシャン!!
ディアボロス!!
禍々しいオーケストラと共に変身した黒いマントのライダー。
アイザック「仮面ライダーディアボロス、降臨」
十香「シドー!!」
士道「く、こんな時に……」
互いに先の戦いでのダメージが重く圧し掛かり、まともに動けない。
その時……
ギン!!
士道「澪!!」
アイザック「澪、やはり来たか」
澪「残念だけど、今の貴方と戦うつもりは無い!!」
澪は士道を連れ、輪廻楽園でその場から姿を消す。
アイザックはメモリを引き抜くと笑う。
アイザック「私も今は戦うべきだとは思って無いよ、私は希望のある状態で絶望させるのが一番好きでね」
隣界
士道「十香、大丈夫なんだよな……」
ベッドの上で眠る十香を見つめる士道。
澪「最悪な状況でも最善は尽くすわ」
士道は治療を終えると、フェザーを身に纏う。
士道「澪、十香の事、頼む」
澪は士道の頭を撫でると、微笑む。
澪「絶対に死なせない、約束するわ」
士道「ありがとう」
士道は部屋を出ると城の廊下を歩く、赤いカーペットと幕の張られた中世風の城の中で士道の背後を誰かが近付く。
カシャ
士道「え?」
士道は振り向くとそこには一人の男がいた。
???「お前が五河士道だな?」
士道「ああ」
???「お前、ここの客人なんだろう?」
士道「まあ、そうなのかな?」
男は近付いてくると左の部屋の扉に人差し指を指す。
士道「えっと……どういう……」
???「客人ならお茶を嗜みながら話し相手になるのが常識だろ、少し付き合え」
士道「じゃあ……」
扉を開けると豪華絢爛なティーセットに男はコーヒーを淹れ始める。
士道は席に着くと男の姿を見つめていた。
赤いワイシャツとストライプのスーツ、旧式のカメラを首にぶら下げた茶髪の少しクセの強い男。
士道(少なくとも精霊と言う訳じゃ無さそうだ……)
カチャ
???「このコーヒーはブラックである事に意味がある、ブラックは苦手か?」
士道「いえ、大丈夫です、いただきます」
コーヒーを嗜みながら男は外の景色を見つめる。
???「少し騒がしいな、干渉できるとは言えここまで脳内に響くのは良くない」
士道「何も聞こえませんけど?」
???「それは俺の声で助かった人間の言う事か?」
士道「声って……」
士道は考えるとあの時の事に気付く。
士道「あの十香の一撃の時の!!」
???「その通りだ、丁度あの現場の近くに居た」
士道は謎の声の正体を知り、思考が止まる。
???「あの後もずっとお前の様子を見ていた、仮面ライダーディアボロスについても概ね状況把握してる」
士道「一体、あなたは……」
男は腰から白いベルトを取り出した。
士道「仮面ライダー……」
???「澪から雇われた世界の抑止力とか言う奴だ、それとお前のガンマドライバーの技術を提供したのは俺でもある、まあ言うなれば澪と同じ様なものだと思ってくれ」
男はコーヒーを飲み干すと強張る士道に多少の疑いを消すべく助言をした。
???「お前、アイザックを倒したいんだろう?」
士道「勿論、その為にここまで来たんだ」
???「だが、闇雲に戦って勝てる相手じゃない、だからお前の世界、風都にいる仮面ライダーに協力してもらうのがセオリーだ」
士道「風都のライダー?」
男は白いカーテンのような物を展開すると士道を現実世界に帰るように促す。
???「風都のガイアメモリ犯罪のプロフェッショナルがいるのは、かもめビリヤード二階、鳴海探偵事務所だ。その先を抜けたらすぐにつく」
士道「誰だか分からないけど、恩に切るよ」
士道はカーテンに潜り、現実世界に戻った。
???「フッ……」
一人残された男は赤い謎のカードを手に、不敵に笑うのだった。
士道「ここか……」
かもめビリヤードの看板を見つけ、中に入ろうとした瞬間……
???「やはり、ここに来ると思っていた」
赤いジャケットのバイクの男、男は胸ポケットから警察手帳を見せる。
???「超常犯罪捜査課の照井竜だ、お前の事はお前の仲間たちから事情を聞いている」
士道「五河士道です、もしかして、俺を逮捕に……」
竜「そうは言っていない、あれだけの騒ぎを起こせば当然、蛭川の件もこちらで既に対処済みだ」
竜はバインダーを手に、前を歩く。
竜「このバインダーには君たちに関わる一連の情報が全て書いてある、ここに相談に来たのなら俺が仲介してやる、入れ」
士道「それなら……」
扉を開けるとそこには……
亜樹子「あ、いらっしゃい、依頼人さんかな?」
竜「いや、彼は今調べている事件の重要参考人だ。二人はいるか?」
すると部屋の奥から……
翔太郎「鳴海探偵事務所へようこそ、依頼人さん。俺は左翔太郎と言う者です」
士道「五河士道です、よろしく」
そして後ろでソファーの上で本を熟読する人が突然起き上がった。
フィリップ「初めまして、僕はフィリップ。照井の話によると君も仮面ライダーらしいね、興味深い」
士道「君も?じゃあ、やっぱり……」
翔太郎「あんまり大きな声で言えないが、俺達が風都の仮面ライダー、その名もダブル」
竜「そして俺が仮面ライダーアクセルだ」
士道「あなたたちが……」
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