おぢばにおかえり
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第六十九話 先輩達と会ってもその四十七
「物凄くふせ込んでこられたね」
「凄い人ですか」
「そうなのよ」
「それは知りませんでした」
「そうだったの」
「所属している布教所の奥さんですが」
それでもというのです。
「初耳でした」
「あの人も自慢話されないしご自身のこともね」
「あまりお話されないですね」
「おみちのことや人のいいお話はされるけれどね
それでもです。
「自慢話、それになる様なことはね」
「言われないですね」
「苦労話はされるかしら」
ご自身の、です。
「人を励ます為にね」
「けれど自慢はされなくて」
「特にご自身の生まれのこととかは」
「生まれは関係ないからね」
人にはです、どのお家に生まれたかではなくてどういった生き方をしてきたかです、どんなお家でも行き方が悪いと人は悪くなると思います。
「それは」
「そうですよね、僕の親戚も」
「生まれは、でしょ」
「うちは天下茶屋の貧乏な家でして」
大阪の西成区です、こちらにも奥華の教会があります。
「大叔母さんはそのお家を切り盛りしていて」
「立派な方なのよね」
「そうなったと思います」
「生き方ね」
「お金持ちとか名家とか」
そうしたことはとです、新一君も言いました。
「関係ないですよね」
「それはその通りよ」
「僕の親戚は貧乏人ばかりですが」
「いい人もいればなのね」
「どうしようもない人もいて」
「その人達のことは聞かないけれどね」
どうしようもない人達についてはです。
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