夢幻水滸伝
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第二百四十二話 南京に出てその十三
「長江に面してるからな」
「だからですね」
「そや」
その為にというのだ。
「水軍もや」
「充実させますか」
「そうする、水軍なくしてな」
さもなければというのだ。
「中国の南はやっていけんな」
「地理的に」
そうだとだ、白澤も答えた。
「非常に難しいです」
「そやからな」
「水軍もですね」
「充実させるで」
「そのこともわかりました」
白澤も頷いてだった。
施は彼に乗せられたうえで南京に戻った、そうして故宮において政の仕事を行うが書類の山が彼を待っていた。
その書類の山に次々とサインをしつつだ、彼は言った。
「どんどん多くなってくな」
「はい、勢力が拡大しますと」
「それと共にです」
「どうしても書類は多くなります」
「そうなります」
官吏達はぼやいた彼に話した。
「どうしても」
「それが書類仕事です」
「それもまた政です」
「書類は勢力が大きくなると共に増えて」
「そしてサインも必要になります」
「そうしたものです」
「そうやねんな、ほな当然としてな」
施はあらためて述べた、
「サインしてくわ」
「それでお願いします」
「納得して頂きます」
「それではサインをお願いします」
「これからも」
「そうするな、これが終わったら晩飯やしな」
こちらの話もした。
「励むわ」
「そうされて下さい」
「仕事は食事の後で」
「今は準備をしていますので」
「そうするな、それでな」
施は仕事をしつつ官吏達に尋ねた。
「今日のメニューは何や」
「お刺身がメインです」
「鯉のものです」
「香草や野菜を大量に刻んで入れています」
「そこに醤油と酢もかけたものです」
「それやな、刺身も好きやからな」
施は刺身と聞いて笑顔で述べた。
「あんまり生は食わんけどな」
「この国ではどうしてもそうですね」
「生ものは滅多に口にしませんね」
「ほぼ必ず火を通します」
「そうしますね」
「そやけど生ものもある」
そちらの料理もというのだ。
「それでやな」
「今宵はそちらです」
「あと地三鮮もありますし」
「ター菜とハムの煮物もあります」
「そして主食は炒飯です」
「デザートは苺とライチです」
「ええ感じや、ほなな」
仕事を終らせてから食べる、こう言ってだった。
彼は仕事に励みそうしてその後で食事を楽しんだ、そのうえでこの世界でのやるべきことに励むのだった。
第二百四十二話 完
2022・1・15
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