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おぢばにおかえり

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第六十九話 先輩達と会ってもその四十三

「もう優勝どころか未来永劫最下位であって欲しいです」
「最下位ね」
「もう勝率一割位で」
「一割って打率でも酷いわよ」 
 どんな人でもそこまで落ちると二軍で再調整が考えられると思います。
「そこまでって」
「防御率は七点台、打率も一割台でエラーは二百」
「もうそれプロとしてどうなの?」
 そこまで酷いです。
「まあ私も巨人は嫌いだけれど」
「阪神ファンの人は特にそうですね」
「そうね、阪神ファンで巨人好きな人はいないわね」
「そうですよね」
「ええ、ただ阪神はね」
「阪神は?」
「お話すると長いのよね」
 私にしてもです。
「どうもね」
「お話することが多いですよね」
「何かとね」
 思い入れが強い分です。
「子供の頃阪神の帽子持ってたし」
「今は持っておられないですか」
「ええ、今はお家に置いたままよ」
 子供の頃は被ったりもしていましたが今は男の子みたいだと思って被っていません、どの阪神の帽子も好きですが。
「白地に黒のね」
「縦縞のですね」
「あの帽子はお家よ」
「そうですか、残念ですね」
「残念なの」
「先輩の阪神帽被った姿見たいですから」 
 またにこにことして言ってきました。
「是非」
「是非って」
「というか先輩の色々なファッション見たいですね」
「そんなの見てどうするのよ」
 正直心から思いました。 
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