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麗しのヴァンパイア

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第四百五十五話

              第四百五十五話  母と共に入って
 美樹は母と共に本屋に向かった、行く途中母は娘に対して悲しい顔をして考える声でこんなことを言ってきた。
「昔は本屋さんも今より多かったのよ」
「そうだったのよね」
「それで雑誌もね」
 そちらもというのだ。
「多かったのよ」
「両方そうだったのね」
「そのことは寂しいわね」
 こう言うのだった。
「お母さんも」
「商店街の本屋さんならあるでしょ」
「この町はね。けれど全体を見たら」
 日本のそれをというのだ。
「どうもね」
「減ったのね」
「そのことを思ったわ」
「本屋さんに行くから」
「田舎でも駅前には本屋さんあったのよ」 
 母は娘に寂しそうに話した、そうした話をしているうちにだった。
 本屋に着いた、ここで母は美樹にあらためて話した。
「それじゃあ今からね」
「ファッション雑誌買うのね」
「小学生用のね」
 それのというのだ。
「雑誌を買うわよ」
「わかったわ」 
 美樹もそれならと頷いた。
「じゃあ何処にどういう雑誌かね」
「紹介するわね。この本屋さんだとこっちよ」
「こっち?」
「そう、こっちよ」
 こう言ってだった。
 母は娘を雑誌のコーナーの一角に案内した、するとそこにだった。
 多くのファッション雑誌がありその中に小学校高学年程の女の子達が表紙に出ている雑誌があった。母はその雑誌を美樹に指差して話した。
「これがね」
「今の私達の為のファッション雑誌なのね」
「アクセサリーのことも載ってるから」
 だからだというのだ。
「これを読んでね」
「勉強すればいいのね」
「そうしてね」
「ええ、そうするわね」 
 美樹も頷いた、そうしてだった。
 その雑誌を買って母と一緒に家に戻って言った。
「じゃあ今からね」
「読んで勉強してね」
「そうするわ」」
 母に笑顔で応えた、そうして読むのだった。


第四百五十五話   完


                2022・3・20 
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