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オズのホボ王子

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第八幕その九

「よくわかるよ」
「そうだね」
「ネコ科の生きものにしてもね」
「臆病ライオン君や腹ペコタイガー君もね」
「そうだね」
 彼等もというのです。
「そうだしね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「イヌ科もネコ科もね」
「彼等はだね」
「各地にいるんだ」
「オズの国でも」
「そうだよ」
「その中で特に多いのは狼と狐だね」 
 弟さんはこの生きもの達がと言いました。
「オズの国だと」
「そうだね」
「本当に各地にいるね」
「狐は国さえ持っているしね」
「狼も」
 彼等もというのです。
「各地にね」
「群れで暮らしているね」
「そうだね」
「狼はいい生きものね」
 王女は笑顔でこう言いました。
「恰好よくて人とも仲がよくて」
「そうだね」
 教授もその通りと頷きます。
「彼等は」
「しかも頭がいいしいざという時勇敢で」
「そして悪いこともしないしね」
「あんないい生きものもそうはいないわ」
「全くだね」
「ですが外の世界だとなんですよね」
 ジョージはここで王女に言いました。
「七匹の子山羊や赤ずきんちゃん、三匹の子豚とか」
「皆オズの国にいるわね」
「その童話では悪役です」
「オズの国ではそうじゃないけれど」
「そこは違うんですね」
「外の世界とオズの国ではね」
 王女はジョージに答えました。
「違うわね、オズの国の方が真実よ」
「狼の姿は」
「外の世界の狼はおかしいわ」
「変に悪く書かれ過ぎですね」
「全然悪くも怖くもないわ」
 狼はというのです。
「全くね」
「そうですよね」
「狼は必要なもの以外は食べなくて」
「悪知恵もですね」
「働かせないわ」
「堂々としていますね」
「だから犬にもなったでしょ」
 この生きものにもというのです。
「狼は元々は犬よ」
「狼が人と一緒に住んで」
「そうする様になってね」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「犬になりましたね」
「だからね」 
 それでというのです。
「狼はね」
「怖くも悪くもですね」
「ないわ」
「そうした生きものですね」
「だからね」
「童話の方がですね」
「おかしいわ」 
 こう王子にお話しました。 
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