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夢幻水滸伝

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第二百四十一話 黄河の力でその九

「中々以上にな」
「ええ人ですか」
「少なくとも底意地が悪くも陰険でもない」
「それはええですね」
「都合のええ時だけへらへらしてそうでないときつく当たることもない」
「世の中そうした奴もいますさかい」
 莫はそうした輩については残念そうに述べた。
「ほんまに」
「そうした奴とは付き合いたくないやろ」
「誰も」
「自分の都合でそうする奴はな」
「それはわたくしもです」
「絶対に信用出来るんだ」
「自分以外は利用するだけですね」
 莫はこうも言った。
「自分だけで」
「中には堂々と言う奴もおるやろ」
「自分さえよければええと」
「そんな奴は好かれん」
「絶対にそうですね」
「そうした奴は面と向かって言われんでもな」
「実は非常に嫌われます」
 そうなるというのだ。
「日本でテロ起こしたカルトの教祖もそうやったな」
「死刑になりましたがね」
「ああした奴もや」 
 まさにというのだ。
「自分さえよかったらええでな」
「他人は利用するだけで」
「都合のええ時や相手にはへらへらしてな」
「そうでないときつくあたりますね」
「そんな奴は誰も救えんしや」
「自分もですね」
「そうなるわ、川上哲治を人間として褒める奴はおらん」
 軍隊にいた時に階級が上の相手には遜り下だといじめていてその中には俳優の丹波哲郎もいたという、そして戦場では後ろから撃てと回覧が来たという話もある。
「そやろ」
「あの人は日本で悪名高いですね」
「そやな」
「はい、自分の邪魔になる人を片っ端から追い出したともです」
「言われてるな、事実そうなってるしな」
「監督の座を脅かすとなると」
「全員追い出した」
 巨人からそうしたのだ。
「まさにな」
「そうした長い間あのチームの監督でありました」
「巨人のな」
「そやから今も非常に評判が悪いですね」
「ああした奴とは一緒にいたないやろ」
「絶対に」
 まさにというのだ。
「それで施はそうした奴とは正反対や」
「そうですね」
「そやからな」
「この世界のことも考えてますね」
「民のこともな」
「そうですね、ほなですね」
「話すわ」
 その施と、というのだ。
「そうしてくるわ」
「ではお願いします」
「そういうことでな」
「一戦で済めばええですね」
「ほんまにな」
 こう話して実際にだった。
 羅は施そして中国の南を統一した彼の勢力の本拠地である南京に使者を送って自身の考えを伝え決戦を申し出た、すると。
「そうか、是非にとか」
「こっちとしてもそう考えていたとです」
 使者であった天使の中年の男はこう答えた。 
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