八条学園騒動記
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第六百五十九話 愚かも極まるとその十一
「だからね」
「お姫様も嫌いでも」
「その大抵のお姫様よりも」
「そんな奴は下よね」
「自分さえよかったらいい、誰の為にも何もしない」
「そんな奴だとね」
「そもそも生きる価値すらないから」
資源の浪費に過ぎないからだというのだ。
「それじゃあね」
「もうね」
「お姫様よりずっと下ね」
「人間ですらないから」
「お姫様になりたいと思っても」
カトリは言い切った。
「アイドルとかね」
「そんな考えの奴には誰もよ」
プリシラはカトリに続いた。
「なりたくないわね」
「間違ってもね」
「そう思うならね」
プリシラはさらに言った。
「こんな奴でも心に留めておいて」
「反面教師にして」
「そしてね」
「ああはなるまい」
「そう思っていくことね」
「それで行いや考えを正すことね」
「それが第一よね」
人間として、というのだ。
「本当に」
「そうよね」
四人でこんな話をした、そしてだった。
四人はそのまま酔い潰れたがセーラはその四人を見て後ろに控えているラメダスとベッキーに話した。見れば今もテーブルに着いている。
「私も確かにです」
「はい、プリンセスですね」
「そのお立場ですね」
「そうなります」
事実そうだというのだ。
「マハラジャの家の者ですから」
「左様ですね」
「そのお立場ですね」
「そしてですね」
「今のあの方々のお話は」
「実際にです」
他ならぬプリンセスとしてというのだ。
「身に沁みました」
「それではですね」
「これからもですね」
「王家の者として」
マハラジャのというのだ。
「身を慎んでいきます」
「そうされますね」
「お嬢様は」
「そうします、あと私は姫様と呼ばれるよりも」
今のベッキーの言葉に応えた。
「どうもです」
「お嬢様ですね」
「そう呼ばれることが好きです」
「ドイツに行かれてからですね」
「公の場ではプリンセスでも」
そう呼ばれてもというのだ。
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