夢幻水滸伝
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第二百四十一話 黄河の力でその四
「そやから飲み比べとかな」
「しても負けるか」
「三人のうちで勝負したらわからんが」
それでもというのだ。
「兎に角三人共な」
「恐ろしい位飲むねんな」
「そや」
「そういえばです」
屈は真顔で述べた、そうしつつ包を手に取った。
「日本の英雄織田信長さんですが」
「あの人か」
「如何にも大酒のみで酒乱という感じですが」
「激情家でな」
「実は言われる程激情家ではなく」
案外というか思いやりもあり冷静な判断を下す人物だったという。ただし傾いていて独創的であったことは事実だった様だ。
「お酒はかなりです」
「弱かったらしいな」
「それは弥生系だったからだそうで」
信長はこちらの血が濃かったという。
「どうも」
「弥生系は酒に弱いらしいな」
「それで織田信長はかなり弱く」
ほんの少し飲んだだけで駄目になったという。
「そうですさかい」
「言われてる様な人やなかったな」
「その様です」
「意外も意外やな」
「ほんまにそうですね」
「甘いものもええですが」
巴も赤ワインを飲みつつ言った。
「しかしです」
「お酒もな」
「ええです、ただ紹興酒や日本酒には」
「お菓子は合わんな」
「お酒の味的に」
「それはしゃあないな」
「そやけどワインでは」
この酒ではというのだ。
「よお合います」
「中国のお菓子でもな」
「そうですね」
「杏仁豆腐とかを食べながらな」
魯は笑って話した。
「赤ワイン飲むのもな」
「ええですね」
「そう思うわ」
「そう思うとワインはええです」
「万能の酒やな」
「どんな食べものにも合う」
「酒は百薬の長と言うが」
羅はこの言葉も出した、新王朝の祖であり簒奪者として悪名高い王莽が叛乱を抑えられなくなり気が滅入り酒に溺れた時に言った言葉である。
「ワインはその中でも王者やな」
「お菓子にも合うとなるとな」
「もう最強や」
「そう言ってええな」
「中国においてもな」
「そやからやな」
「今もこうして飲める」
「存分にな」
「では今日はワインですね」
陳も言いながら飲んでいる。
「葡萄の美酒ですね」
「それを飲んでいこうな」
「ほなそうしましょう」
「それで明日はどうなるか」
「二日酔いですか」
「そうなるかもな、その時は風呂や」
羅は二日酔いになった時のことも話した、話をしながらそのうえでまた一口飲む。
「起きてそれに入ってな」
「すっきりしますね」
「二日酔いには一番や」
風呂がというのだ。
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