八条学園騒動記
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第六百五十九話 愚かも極まるとその二
「他の人はどうなってもいいけれど」
「自分だけはね」
「絶対に助かろうとするのよね」
「他の人がテロの巻き添えで殺されても平気で」
何の罪もない人達がだ。
「遺族の人達が泣いてもね」
「平気でね」
「それで自分がいざよ」
「権力に反対している連中に殺されそうになったら」
自分がいいと言っている連中にだ。
「もう泣いて叫んでね」
「命乞いしてね」
「他の人を指差して自分の代わりにこいつを殺してくれとか言って」
「助かろうとするわね」
「これ以上はないまでの屑よね」
「馬鹿であるだけでなくね」
「冗談抜きにそうなったら終わりね」
プリシラはそうした輩を軽蔑しきった目で見て述べた。
「本当に生きる価値すらないわね」
「関わりたくもないわね」
ペリーヌもそうした目で言った。
「そんな奴とは」
「いざとなったら裏切るからね」
「自分しかないから」
「普段どれだけ恰好いいこと言っても」
「いざとなったら裏切ってね」
「自分だけ助かろうとするわね」
「どんな汚いことしても」
それでもというのだ。
「そうしようとするから」
「生きる価値もないし」
「助かろうとするわね」
「絶対にね」
「権力に反対する連中がテロして人殺してもいいなら」
エイミーは言った。
「法律いらないから」
「法律も社会もね」
ペリーヌはエイミーにも応えた。
「いらないわね」
「そうよね」
「もうそれこそ無政府主義じゃない」
「まさにそれよね」
「何か本当の意味で自由な社会っていうけれど」
「権力も法律も束縛もない」
「けれどそうなったら」
実際にそうした社会になればどうなるかというのだ、これはもう少しでも考えてみればわかることだった。この四人にしても。
「野生というかね」
「野獣が支配する世界よね」
「暴力が支配する」
「世紀末よ」
「モヒカンがバイクに乗って走り回ってって」
「ヒャッハーーーッて暴れ回る」
「そんな社会ならあるわよ」
カトリは言った。
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