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IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス

作者:ハト胸
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一難去って専用機!

 
前書き
相川七海
 13歳、黒髪にオレンジの瞳。
 中学二年生。生徒会に所属している。
 割ともてるが彼氏がいたことはない。
 自他共に認めるブラコン。
 幼い頃から家を空けがちになった両親に代わり、拓夢が面倒を見ていた。
 小六のころ、交通事故に巻き込まれそうなところを拓夢に助けられブラコンが重度に。
 それいらい、中学に入りメンヘラにも目覚めた恐ろしい子。

相川夫妻
 拓夢の両親。
 重要人物保護プログラムにより警護がついている。
 拓夢自身が学園に入って手出しできないことで、両親が狙われる機会が増えたためである。
 子どもが大好きな二人は、仕事が忙しいのを申し訳なく思っている。
 夫は漫画編集会社社長。妻は専業主婦から社長秘書。
 最近売れ行きが伸びに伸びていて、忙しい日々を送っている。 

 
 「とりあえず、落ち着いたか二人とも?」

 「「・・・・・・ッ」」

 「睨むのやめろ・・・」

 事態はなんとか改善できた。
 最悪のシナリオ、二人の全面対決(物理)を回避できたのは良かった。
 どっちが勝つにしろ、いい結果は生まないからな。

 「もう、私はこれから塾があるから行くけど。・・・あんた、お兄ちゃんに変なことしないでよね!」

 「だ、誰が変なことなんて・・・・」

 「そこで赤くなるな───ッ!!」

 妹、七海はどうやら塾のようだ。
 大変だな妹よ。俺も勉強は苦労したもんだから、今のうちからやっておいて損はない。うむ。
 
 ばたんっ、と勢い良く閉められたドア。ていうか、いつまで俺はパンツなんだ?

 「あー、清香さんや。とりあえずそこどいて」

 「・・・えっ!ああ、うん。・・・って、何で拓夢君パンツなの!?」

 「着替えようと思ってたからだよ!?てかそこどいてくれ、部屋着出せないだろ?」

 「ご、ごめんなさい・・・」

 しゅん、とうなだれる清香。
 む、きつく言い過ぎたか?反省しておくか。

 だが、その前に聞きたいことがある。
 俺は上下黒のスウェットに着替えると、清香に向かい合うようにして座った。

 「さて、なんでウチの場所を知っているか教えてもらおうか?」

 そう、問題はここだ。
 どうしてウチの住所を知っているんだ?どうやってここにきた?
 そして、どうして俺の部屋にいる?

 「え・・・と。一夏くんに聞いたから」

 「一夏に?」

 「うん。・・・私がね、拓夢君を驚かそうと思って。それで聞いたんだ」

 「あ~、それでウチまで来たと」

 とりあえず、一夏はしばく。
 アイツの個人情報を新聞部に売りつけてやる。高値でな。

 「んで、どうやって家の中に?七海、妹にあけてもらったわけじゃないのは分かったけど」

 もし七海が開けていたら、門前払いで返されていただろう。 
 あのやりとりを見る限り。

 「そのときは拓夢君のお母さんがいたの。なんかニヤニヤして部屋に上げてくれたんだけど?」

 犯人は身内。それも母さんだった。
 ・・・まぁ推理は出来る。あの人の事だ。
 面白そうってことで入れたに違いない。それか、清香を俺の彼女とでも思ったんだろ。
 人さわがせなひとだ。

 「まぁ理由は分かった。一日付き合うって約束も有るしな。それに、今回はウチの母さんの悪乗りもあるみたいだし・・・」

 普段はいい母親だ。だが、ことさら恋愛関連になると嬉々として手を回してくるのがウチの母親だ。
 中学の時も、何を勘違いしたのか親友であるチャイニーズガールを俺が入っていた風呂に直行させた事があった。当然俺がぶん殴られ、母さんの誤解を解いたんだが。代償は一ヶ月間クチを聞いてくれないと言う地獄。解決するのに、駅前のパフェを奢るという中学生の財布には厳しい試練も待っていた。懐かしいな・・・。アイツは元気にしているだろうか?

 「でもまぁ悪いな。折角来てもらったけど、もう暗くなってきてるわ」

 「ううん、私の方こそ押しかけちゃってごめんね?本当は明日の約束なのに」

 「気にすんなって。俺も明日学園戻るし、どうせならそのまま遊びに行けばいいだろ」

 「え・・・、いいの?」

 「だって、これじゃ一日どころか一時間しか経ってないからな。・・・それは約束としては不公平だろ」

 「やった・・・ありがと拓夢君!」

 「おう。・・・・・・ところで母さん、いつまでそこに居る気なの?」

 「・・・あら、ばれてた?」

 ぎぃ・・・。ゆっくりと俺の部屋のドアが開く。廊下にいたのは母さんだ。手にはコップを持っている。なるほど、盗聴してたな?
 
 「あ。た、拓夢君のお母さん。今日はお家に入れていただいて、ありがとうございました」

 「あらあら、いいのよ清香ちゃん。おいしいケーキも貰ったことだし。・・・そうだ、折角だから四人で食べましょうよ」

 母さんが入ってきたことに驚きつつも、帰る方向で考えていた清香はお辞儀をしていた。
 礼儀としては完璧なんじゃないのか?少なくとも、うちに遊びに来た奴等の中では。
 母さんも清香のことを気に入ってるみたいだし。まぁ、その大半はケーキ貰ったからだろーけど。
 
 「えっと、いいんですか?」

 「勿論よ!ほら、拓夢も来なさい。・・・チーズケーキもあるのよ?」

 それは本当か?今すぐいただこう。

 「・・・拓夢君、チーズケーキが好きなの?」

 「大好きだ」

 「この子ったら、昔からチーズケーキが大好きでね~。誕生日は大体そうなのよ」

 「へぇ、そうなんですか。いい事聞きました」

 とまあそんな感じで談笑しつつ、一階のリビングへ。
 ドアを開けると父さんもいた。どうやら今日は家で仕事をしていたようだ。

 「お、誰かな?・・・もしかして、拓夢の?」

 邪推スタート。ちなみに、父さんも母さんと同じでこういった話題が好きだ。
 その度に妹は不機嫌になるんだけど、どうしてだろうな?
 
 「ち、ちがいますっ。・・・そんなんじゃ」

 「そーだぞ、友達だっての。・・・ったく、いつもの癖治せないの?」

 「はははっ、すまんすまん。ついな?」

 笑って誤魔化そうとしても無駄だ。いつものその手には乗らん。

 「ほら、ケーキよ。・・・と言いたい所だけど、もうそろそろ夕ご飯の時間なのよね。先にご飯にしましょうか?」

 「そうだな!それがいい。今日はなんだい?」

 「カレーよ!腕によりをかけて作ったんだから」

 「おおっ!そりゃ楽しみだ。母さんのカレーは最高だからな!」

 ま、それについては否定しない。確かに母さんのカレーはどの料理にも引けを取らない。おそらくIS学園のカレーにも負けないだろ。

 「「いただきまーす!」」

 四人揃って合唱。我が家の食卓は今日も賑やかだ。
 ・・・・・・ん?なにか忘れているような気が・・・?

 「拓夢君、このカレー美味しいね!」

 「そうだろ?学園のより上手いと思うぜ」

 「本当!負けてないよ!」

 まぁ、カレー美味いし、清香も嬉しそうだし。いっか。






 IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス
                      第22話 一難去って専用機!





 翌朝、軽く事件が起こった。

 Prrrrrr・・・Prrrrrr・・・・。

 「ん、ん~?で、でんわ・・・・・・」

 どこかで電話が鳴っている。
 この音は俺のだ。黒電話式にしているから音がでかくて、さらに分かりやすい。
 たしか、携帯は・・・・・・。

 ふにょんっ

 「な、なんだ・・・」

 ふにょんふにょん

 なんだか柔らかくも好ましい感触が掌に・・・。
 なんだこれ、クッション?こんな手触りのクッションあったか?

 昨日は疲れた。そのせいで今日の朝連は休みにしている。だからゆっくり寝たいんだ。
 電話もきれたみたいだし、俺はこのクッションを枕に・・・・・・。

 「あ、・・・んぅ」

 ん?・・・なにか聞こえた。
 なんだろう、寒気が。おぞましいほど冷たい冷気が・・・・。

 「んぅ、んんっ・・・あ、はぁ・・・」

 なんだか艶っぽい声だ。
 妙に耳に残るんだが・・・。あれ?なにか忘れていないか?
 そ、そう言えばあの後。夕飯食べて風呂まで入ったところで、清香が帰らなきゃいけないこと思い出したけど、母さんが夜道は危ないから泊まっていけって言って、それで・・・・・・。

 ま、まさかこの感触は・・・・。

 俺はちらりと目を開ける。眠気は吹っ飛んだ。

 「・・・・な、なななっ!なんじゃこりゃぁああああああ!!」

 俺の目の前には、相川清香さんその人がいた。
 何故かシャツがはだけ、何故か肌が露出して、何故か俺の右手はその胸に・・・ッ!!?

 「もぅ。・・・拓夢君のえっち」

 「ご、ごごご、ごめんッ!!」

 しかも清香の目はばっちり開いていた。
 俺、死亡のお知らせ・・・・・・。

 


 電話の主は、なんと千冬さんだった。
 その内容はとんでもない物で、俺の専用機が運ばれてきたからかえって来いというものだ。
 それを聞いた俺は、両親に茶化されながら朝ごはんを急いで食べて、清香を連れて家を飛び出してきた。

 「はぁ。・・・ねぇ拓夢君」

 「な、なんだ?」

 「責任、とってよね?」

 そんないい笑顔で言われましても。

 モノレールの中、隣同士ですわる俺達。他の乗客はいない。なにせこれ、IS学園直行便だから。
 何故か近くに座る清香の笑顔が眩しい。直視できない。

 「いや、確かに朝の出来事は謝る。でもな、そもそも原因は・・・」

 「拓夢君、女の子の胸揉んでおいて言い逃れ?」

 「・・・くぅ」

 反論できない。
 だが考えて欲しい。もともとこうならないために、俺と清香は別々の部屋に寝たはずだ。
 なのに、なのにどうして俺の部屋で、しかも俺のベッドにもぐりこんできているんだ!!
 しかもご丁寧に裸ワイシャツだと?そのワイシャツ、俺の中学の時のだし!
 正直あのシチュエーションで落ちない男はいない。と、おもう。いや、一夏を除いて。

 「ん~そうだなぁ。・・・じゃあ、こんど私にISの動かし方教えてよ」

 「・・・・へっ?それでいいのか?」

 「うん、それでいいの!だって拓夢君、ワザとじゃないって分かってるし」

 「あ、そりゃ・・・どうも」

 俺がどう責任とるのか考えていると、清香から妥協案。
 それなら俺でも教えられる。なにせ織斑先生に早朝訓練を受けているからな。 
 代表候補生にはともかく、一般の学生である清香には教えられるはずだ。

 妥協案としちゃ、そんなところか。
 と内心ほっとした。
 モノレールはそのまま、IS学園へと向かう・・・・・・。





 「ようやく戻ってきたか。遅いぞ、相川」

 「すみません。これでも急いだんですけど・・・」

 「お前が最初のコールで出れば問題は無かったと思うが?」
 
 「う、そ、それは・・・」

 清香と寮の前で別れて、俺は一人第二アリーナへ来ていた。
 日曜日だというのに人一人居ない、静かなもんだ。
 アリーナの中央には千冬さんが居た。学園内だから織斑先生か。

 そして隣には、コンテナ。おそらく中に、俺のISが入っているんだろう。

 「まあいい。とにかく早速はじめるぞ、貸しきり時間は残り僅かだからな」

 「了解です!」

 「ふん、返事だけは一人前だな。・・・そら、これがお前の専用機だ」

 千冬さんの言葉とともに、コンテナの前が開く。両開き式だ。
 ぎぎぎぎぎ、という軋んだ音ともに開いた扉の奥にそれは鎮座していた。

 一言で言い表すならば、それは蒼。
 青ではなく藍でもない。
 例えるなら空だ。空気に反射する蒼いろ。

 「う、わぁ・・・」

 おもわず、口から簡単のため息が漏れる。
 イメージとしてはロケット。
 鋭角的だが曲線美を忘れていないそのつくりに、心なしか鼓動が早くなる。
 それは白式のような中世然とした鎧ではなく、打鉄のような和風然とした鎧でもない。
 これはその中間を行く何かだ。
 
 「さあ、背中を預けるようにして座れ。・・・そうだ、そのまま。よし、フィッティングを始めるぞ」

 「は、はい・・・」

 千冬さんに言われるがまま、俺は機体に背中を預ける。
 きゅいいいん。そんな電子音が耳に響く。
 かしゅっ。ISが俺に装着された瞬間、世界が変わった。

 ぐんぐん広がる感覚。まるで俺自身が大きく広がっていくみたいな、そんなイメージ。
 少し離れてパネルを操作する千冬さんは勿論、このアリーナ全域に俺の存在が満たされている。
 どこで何が起きているのか、たとえば風に吹かれて転がる小石も、客席にある塵も、千冬さんのバストのサイズ

 「なにか余計なことを考えているな?」

 ・・・とこれは駄目か。

 凄い感覚だ。打鉄じゃ体験できなかった、これはなんだ?
 このISが俺の専用機だからなのか?

 そういえば、名前を聞いていない。

 「織斑先生、こいつの名前ってなんですか?」

 「ん?・・・ああ、言っていなかったな。まて、直ぐに表示される」

 「あ、はい・・・」

 ふぉん。言われたとおり待っていると、目の前に広がるウィンドウ。
 そこにはこの機体の名前が書かれていた。

 Vorreiter

ヴォアライター。日本語で先駆者。
 それが俺の専用機の名前だった・・・・・・。 
 

 
後書き
ちょこっと修正をば・・・。
拓夢君の両親を登場させて清香さんに対面してもらいました。
これで、非常識なストーカーキャラじゃなくなるはず・・・・・・。

ラッキースケベからの専用機回。
機体のカタログスペックは徐々に公開していきたいと思います。
機体の外見だけすこし。

Vorreiter

 メインカラー:蒼
 サブカラー1:紺
 サブカラー2:白
 サブカラー3:黄

 上半身は肩を露出させているランニングタイプ。
 肘から手首にかけての腕甲。
 ハンドは丸みを帯びており、指先だけ鋭く尖っている。
 下半身は白式に似ている。
 ウィングアーマーのモチーフは翼。
 しかし、それにしては控えめなサイズな角ばったものが二つついている。
 機体だけを見れば非常にシンプルかつ無駄を省かれたつくり。
 
 この機体は速度重視のためにあらゆる面で効率化されている。 
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