八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六百五十八話 お姫様と悪役令嬢その八
「それで花嫁修業みたいにね」
「日本の皇室に一時預けられて」
「宮内省から教育受けて」
「それがあまりにも厳しいから」
「日本の宮内省の理想ってあれでしょ」
プリシラは座った目で言った、目が座っているのは酒のせいでもある。やはり酒がかなり回っているのだ。
「明治、昭和のね」
「両帝よね」
ペリーヌは応えた。
「十九世紀と二十世紀の」
「それでその時の皇室でね」
「千年以上前の」
「今の皇室を築かれた方々だから」
近代の皇室と呼ばれるそれをというのだ。
「もうね」
「両帝がお手本で」
「それで理想でね」
「教育も厳しいのよね」
「他の王家の人が泣く位に」
「自由も何もない」
「プライベートすらも」
それこそというのだ。
「なくてね」
「こうしてお酒飲むとか」
「絶対にないわね」
「いや、日本は特にで」
エイミーは言い切った。
「お姫様には憧れても」
「なるものじゃないわね」
プリシラも言った。
「絶対に」
「そうよね」
「お姫様は憧れる」
「それだけでいいわね」
「実際には」
「本当にね」
「いや、若しなったら」
カトリも言った。
「憧れられてもね」
「生活に自由ないわね」
ペリーヌは言い切った。
「ああして下さいこうして下さいでね」
「言われてばかりでね」
「もう逆らうことも出来ない」
「そんな風だからね」
「なるものじゃないわね」
「実際にはね」
「セーラも」
プリシラは彼女について思った、お姫様である彼女のことを。
「やっぱり窮屈なのよね」
「それはそうでしょ」
当然だとだ、エイミーは応えた。
「マハラジャっていうとね」
「王様よね」
「そう、藩王っていうけれど」
「王様は王様で」
「王室で」
その立場でというのだ。
「その一員なら」
「生活は窮屈ね」
「だからいつもよ」
プリシラにさらに話した。
ページ上へ戻る