ライブジャスティスシリーズ
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十香ファーストバトル/救済の力
10月27日 バアルドーパントの事件現場。
蛭川「ここ数日、妙なドーパント騒ぎが起きている、何でもその多くの事件にライブジャスティスなる外部のヒーローが関わってるみたいですね。どう読みますか?」
とある一人の男はコーヒーを飲み終わるとまるで当然の様な反応を示した。
???「マスコミに付き合うつもりは無い、この事件については何も関わるな」
男は缶をゴミ箱に捨てると警察の立ち合いに潜り、捜査を始めた。
蛭川「面白くないなあ、まあ自分が起こした事件だから別に良いか」
蛭川はオフィスに戻ると、十香奪還チームの写真と見出しの出た自社雑誌を読みながらニヤリと笑った。
翌日 某ホテル
出撃 20分前
アストラ「大変だ、あの蛭川ってヤローがやりやがった!!」
キース「何があったんだい?」
アストラが雑誌を手に記事を見せる。
マリア「こ、これはッ!!」
その記事にはこう書かれていた。
レオ「相次ぐライブジャスティスによるドーパント戦闘騒動、一般市民と知った上での過激な攻撃、ヒーロー紛いのテロリストか?……って何だよこいつは!!」
キース「これじゃあまるで僕たちが悪者みたいじゃないか!!」
アストラは苦虫を嚙み潰したように怒る。
アストラ「ライブジャスティスは政府の賛同の元皆を守っているのに、事件を起こした張本人が民衆相手におだててんじゃないよ!!」
ガンッ!!
拳で壁を殴る、そんな中でマリアは告げる。
マリア「世の中は自分の行いが正義かなんて誰も分からない、だが、これは愚行以外何者でもないッ!!」
雑誌を投げつけ、レオは拳を握る。
レオ「おかげで目が覚めたぜ、あいつを手加減なくぶっ潰せる。出撃だ!!行くぞ!!」
マリア「待て、まだ士道が戻っていない、今行くのは危険すぎる」
アストラ「僕も行きたいところだが、士道が……」
その頃士道は……
隣界
士道はベッドで横になり、澪から施術を受けていた。
施術が終わると士道は起き上がる。
澪「終わったわよ、本当精霊の力も失って普通の人間なのに酷い無茶をするわね」
士道「十香から受けた攻撃で肋骨と左手が粉砕骨折してたなんてな、無理矢理連れて来られる訳だ」
澪「それでも痛みを堪えてツインマキシマムなんて自殺行為も良い所よ」
士道「こんな戦い方はもうしたくないな」
澪「それでもやりかねないから不安なのよ、士道は仲間の為なら平気で危ない事……」
泣きそうになる澪に士道は笑顔で告げる。
士道「でもこうするしかないんだ、俺は十香を取り戻すためには、その為に戻って来たんだ。俺は居場所がある限り死なない。当然澪の隣も俺の居場所だ」
澪は士道の言葉に納得し、澪もまた共に戦い続ける決意を固める。
澪「士道の想い、私も信じる。だから士道にこれを授けるわ」
澪はブランクのガイアメモリを取り出し、光を注ぐと白いメモリが誕生しそれを士道に渡す。
士道「これは……」
澪「私の天使の力、アイン・ソフ・オウルメモリ。これでマキシマムドライブを放つと一時的に10の天使のガイアメモリの力を同時に開放するオーバーロードマキシマムドライブを発動できる。でも使えば大きすぎる霊力消費によって戦闘中に倒れる危険性がある。使う時は勝負を決める時、十香の救出とアイザックとのトドメの一撃で使いなさい」
士道は澪から受け取った切り札、士道の目に力が宿る。
士道「澪がくれたこの力、使わせてもらうよ。俺の為に、ありがとう」
澪「ええ、さあ、行きなさい。仲間が待ってるんでしょ」
士道「必ず戻って来る、待っててくれ」
士道はホルスターにメモリを刺し、扉を開けて戻る。
マリア「来たか」
士道はメンバーに強い眼差しを向ける。
士道「皆、覚悟は良いな」
レオ「あいつをぶちのめす理由も出来た。こっちは今にも暴れそうなぐらいにな」
士道「何があったんだ?」
マリア「こいつだ」
マリアが雑誌を手渡すとその記事を見る。
士道「蛭川の奴……」
レオ「士道、俺達の行いに間違いはない。そうだろう」
士道は一呼吸する。
士道「たとえどう言われようとも俺達は皆の為に戦い続けてきた、こんな卑劣な男の言い分に屈する俺達じゃない!!」
お互いその言葉にメンバーが共感した。
士道「さあ、俺達の戦争を始めようか」
十香奪還チームは転送装置を起動し、現場へと向かった。
AM13:00 風都観音商店街地区
レオ「ここか」
マリア「酷いモノだ、アーケード街がこんな無残に……」
廃墟と化したアーケード街を進んだその先には……
蛭川「待ってたよ、ライブジャスティス諸君」
スカイハイ「何故ここを戦いの場所に選んだ」
蛭川はメモリを手に語り始める。
蛭川「このアーケード街は数日前アイザックの実験で十香がナヘマードーパントに初めて変貌した場所でね、ここには280人近くの人間が生き埋めになっている」
士道「!!」
蛭川は更に追い打ちをかける。
蛭川「おかげでマスコミの良いネタになったよ。大勢を殺した人ですらな……」
ズバァ!!
蛭川「な、これは……」
士道「蛭川、それ以上言えば、容赦はしないぞ……」
蛭川の首筋にカマエルメモリを装填したスタッグフォンが付きつけられる。
蛭川「ま、これ以上は言わなくても良いかな、それじゃあ始めようか、悲劇のお伽話をさ」
バアル!! パチン!!
蛭川「霊変術」(マギナ)
蛭川は変身すると弾き飛ばされたスタッグフォンが士道の手元に戻る。
蛭川「さて、君達は僕が直々に相手をするよ、あ、君にはこっちだったね」
蛭川は鏡を取り出す。
士道「十香!!
十香「シ……ド……」
十香の目は虚ろに士道を捉え、ベルトから赤い稲妻と黒いオーラを纏ったナヘマーメモリを構える。
蛭川「ナヘマーメモリを使い込んだ影響でメモリに込められた魔王の力が十香をの人格を支配し始めている。あと一回変身すれば完全に十香の人格は消え、完全なナヘマードーパントになる。ここで彼女を何とかしないと彼女はもう永遠に救えない。この危機的状況、君ならどうするかな?」
十香「嫌だ……シドー……私……忘れたくない……忘れるくらいなら、私はシドーの手で……」」
士道「死んだ方がマシだと、そう言いたいのか?」
十香「え……」
士道は哀しそうな目で十香を見つめる。
士道「俺は、何かを傷つけたり、壊したりすることを躊躇ってきた。皆から奪い合う事も、報復することも。全部愚かだと思っていた。でも今ここに居て気付いたんだ。
人は自分の手を赤く染めずに生きる事は出来ない。そんな綺麗事は自分の弱さだと、そう気付いたんだ」
ガシャッ
士道は腰にガンマドライバーを装着し、サンダルフォンメモリを取り出す。
士道「だから俺はこれから自分の築き上げた物、全てを捨てる、目の前のお前を救う為に、俺はこのお前の力を使って……」
サンダルフォン‼
メモリを起動し、ドライバーのスロットに刺す。
士道「全て壊して……取り戻す!!」
十香「シドー……うう……うあああああ!!」
ナヘマー!! ガシャ!!
十香はメモリを起動し、衝動がままにベルトに刺した。
士道はⅬ時に腕を組み、スロットを倒す。
士道・十香「変身!!」
サンダルフォン!!
ナヘマー!!
士道「行くぞ、十香!!」
十香「あああああああ!!」
ガギイン!!
互いに変身し、サンダルフォンソードとナヘマーブレードを突き付けた。
大きな戦いの中、蛭川の取材を受けていた男が風都観音商店街地区に現れる。
その男の手には未知のガイアドライバーと赤いメモリが握られていた。
???「あいつも、仮面ライダーか……」
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