| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百三十九話 真の主力での攻撃その十一

「主に行うのは座して行うことであり」
「それでやな」
「私達もこれからです」
「治めていくことやな」
「そうしていきましょう」
「そういうことやな、ほなな」
「モンスター退治もです」
 そちらもというのだ。
「行っていきましょう」
「そうして民の不安を取り除こうな」
「決して司馬氏の者達や煬帝にならないことです」
 巴はこのことは強く言った。
「何があろうとも」
「まさにあの連中は反面教師やな」
「政を行うにあたっては」
「司馬氏は魏の頃は専横を極め皇帝を弑逆したでしが」 
 郁は司馬氏の魏の頃の所業の話をした。
「それ以上にでしね」
「建国してからの罪が大きいですね」
「政を行わず遊興に耽り内乱を起こした」
「それによって国を滅ぼしたことがです」
 巴は郁にも述べた。
「むしろです」
「罪でしね」
「はい、煬帝も然りです」
「皇帝になるまでに父と兄、そして甥達を殺したでしね」
「それも罪です」
 郁はまた答えた。
「確かに。ですが」
「それ以上にでしね」
「大運河や長城の件はよいのです」
「国を栄え守る為のもので」
「大運河は煬帝の贅沢を支える目的もありましたが」
 私欲もあったがというのだ。
「その後に中国の二つの大動脈をつなげた」
「それで発展させたでし」
「その功は大きいので」
「いいでしね」
「確かに民には大きな負担でしたが」
 労役に駆り出されてだ、こうした大規模な土木工事の負担は中国では古来よりある。有名なのは秦の始皇帝であり長城や阿房宮それに驪山陵とかなりのものであった。
「しかしです」
「それはまだよかったでしね」
「高句麗遠征は失政ですが」
「まだでしね」
「よかったです、贅沢もです」
 これもというのだ。
「まだです」
「許せます、一番の罪はやはり」
「政を放り出して江南に逃れたことでしね」
「これでまた戦乱になりました」
 中国は群雄割拠の状況に陥ったのだ。
「折角統一されたというのに」
「そして民は苦しんだでし」
「それこそが煬帝の第一の罪です」 
 政を放棄したことがというのだ。
「そしてその地で遊興に耽った」
「民を省みずにでしね」
「そうです、ですから私達はです」
「司馬氏にも煬帝にもなってはいけないでし」
「はい」 
 まさにというのだ。
「決して」
「そうでしね」
 郁もその通りだと頷いた。
「何があっても」
「はい、そうなってはです」
「世界を救う器ではないでし」
「煬帝は皇帝の器ではありまんでした」
 巴は一言で彼を全否定した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧