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八条学園騒動記

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第六百五十七話 お姫様その十一

「サウナの後で余計に温まるのよ」
「サウナでもそうして」
「そのうえで」
「そうしてるの、これが本当にね」
 真っ赤になっている顔で話した。
「いいのよ」
「お風呂上がりの一杯ってあるけれど」
 エイミーもウイスキーを飲んで話した、もう傍にあるコニャック、ラム、ジンのボトルは空になっていて残るはそれだけで飲んでいるのだ。
「フィンランドじゃそれがウォッカなのね」
「そうなのよ、ロシアと同じでね」
「ロシアもサウナの国だしね」
「どっちもサウナに入った後は」
「ウォッカね」
「それで一気に温まるのよ」
「そうよね」
 エイミーもそれはと頷いた。
「フィンランドもロシアも」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「私とアンネットはよくお話するし喧嘩したことないけれど」
「お国としてはっていうのね」
「あまり仲よくないわね」
 こう言うのだった。
「フィンランド建国の頃から」
「揉めること多いのね」
「戦争もしたしね」
「地球にあった頃ね」
「それでエストニアとはね」  
 この国とはというのだ。
「ずっとよ」
「仲いいのね」
「交流も盛んよ」
 そうだというのだ。
「ずっとね」
「そうなのね」
「ええ、ロマノフ公国とも仲悪いし」 
 この国ともというのだ。
「フィンランドって」
「あの国ともなの」
「あそこのお姫様が訪問されて」
 フィンランドにだ。
「一度も笑わなかったとかね」
「そんなこともあったの」
「それで他の国に行かれたら」
 その時はというと。
「にこにことされていたなんてね」
「そんなこともあったの」
「元々フィンランドってロシアから独立した国だし」
 一次大戦後にそうなった、そして建国された国なのだ。
「だからね」
「ロシアと仲悪くて」
「ロマノフ公国ともでね」
「折角のお姫様もなのね」
「笑われないのよ」
「お姫様も人間だしね」
 ペリーヌは酔いきった目で述べた。 
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