夢幻水滸伝
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第二百三十八話 済南へその九
「やるで」
「それにかかるでし」
郁は呉に応えてだった。
進撃準備にかかった、それは当然呉と巴も同じで十万の軍勢の進撃準備を速やかに行いそうしてであった。
済南への進撃を開始した、ここで巴は策を用いた。
「山東省の東のか」
「はい、半島部分の街や村にです」
済南の勢力圏にあるそういった場所にというのだ。
「次々に使者を送っています」
「こっちにつく様に言ってるか」
「そうです、そしてです」
「敵の勢力を削いでか」
「私達の勢力に組み込みます」
「戦わずしてやな」
「そうしていきます、全ての街や村が降らずともです」
そうでなくともというのだ。
「構いません」
「少しでも降る街や村が出るとか」
「それで、です」
「ええんやな」
「そうです、少しでもです」
「敵の勢力を削って私達の勢力を拡大する」
「そうしていきましょう」
こう呉に話した。
「今は」
「そしてやな」
呉は巴ににやりと笑って言葉を返した。
「敵が済南を攻め落とされてな」
「そしてさらに戦おうとしてもです」
「その勢力を弱めるな」
「そして逃げ場所も」
これもとだ、巴は呉に微笑んで話した。
「狭めていきます」
「今からやな」
「はい、そして」
そのうえでというのだ。
「ことをです」
「進めていくか」
「はい、ですから」
「敵勢力の街や村にやな」
「使者を送っていきましょう」
「ほなな」
呉はそれをよしとした、そしてだった。
そのうえでだ、済南に進んでいく。その間将兵達にはしっかりと三度の食事を与え餓えない様にしてだった。
給与も払った、するとだった。
「不心得者が殆どいないでしね」
「略奪暴行を働く奴がおらん」
「そうでしね」
「飯食ってな」
呉はそれでと話した。
「そしてや」
「お金もあるとでし」
「戦をしてるから命の危険はあってもな」
それでもというのだ。
「生きていける」
「だからでしね」
「そうしたことをする奴がぐっと減る」
「そうでしね」
「何故そうしたことが起こるか」
軍の略奪暴行がというのだ。
「それはや」
「やっぱりでしよ」
「生きていけんからや」
「奪わないと自分が死ぬでし」
「その辺り他の生きものと同じや」
人以外のというのだ。
「生きるか死ぬかやとな」
「他者を倒しても奪ってもでし」
「食わんとあかん」
「そんな状況だからでし」
「軍のそうした行いが起こる」
「そうでしね」
「そやから飯はな」
これはというのだ。
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