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八条学園騒動記

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第六百五十七話 お姫様その三

「どうなのかしら」
「どっちにしろエチオピアも古いってことね」 
 プリシラはこう結論付けた。
「つまりは」
「そうなるわね」
 エイミーもそれはと頷いた。
「一度断絶してるけれど」
「復活してるしね」
「まあそういうことでね」
「あの皇室も古いわね」
「キリスト以前だしね」
「それで内親王殿下ね」
 カトリはしみじみとした口調で述べた。
「歴史と日本の皇室の凄さを感じるわ」
「そうよね、けれどお姫様ってね」  
 プリシラはそれはと述べた。
「連合全体で本当に少ないわね」
「まあ共和制の国が多くて貴族とかお殿様がいないと」 
 カトリはこう返した。
「それじゃあね」
「お姫様も少ないわね」
「そうなるわ、姫と言われても」
「正式には違うわね」
「もうお姫様っていうと」 
 正式にそう呼ばれる女性はというのだ。
「そうした家柄よ」
「少なくとも旗本のお家ね」
「江戸時代の日本だとね」
「それなりのお家の」
「そう思うと昔の日本ってお姫様多かったのね」
 ペリーヌは飲みながらしみじみとした口調で述べた。
「かつては」
「そうよね、旗本ってね」
 エイミーはこの者達の家の話をした。
「八万って言われてたそうだから」
「それ多くない?」
「実際は時代によって違うけれど」
 その数は常に増減していた、取り立てられたち断絶したりしていた。中には不祥事で取り潰された家もあった。
「一万や二万だったそうよ」
「八万もいなかったのね」
「実際わね、けれど万いたから」
 こうカトリに話した。
「そのお家の数だけね」
「お姫様いたのね」
「だから江戸に行けば」 
 大名や旗本の家が集まるこの街はというのだ。
「もうあちこちにね」
「お姫様がいたのね」
「そうだったみたいよ」
「石を投げればお姫様に当たる」 
 プリシラは笑って言った。 
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